1998 Fiscal Year Annual Research Report
ゾル-ゲル生体機能性薄膜に基づくマイクロアレイバイオセンサーの研究
Project/Area Number |
09640732
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
八尾 俊男 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (50081310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 巌 大阪府立大学, 工学部, 講師 (60081311)
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Keywords | 酵素センサー / マイクロアレイバイオセンサー / ゾル-ゲル法 / ビオチン-アビジン親和反応 |
Research Abstract |
ゾル-ゲル法は無機材料の低温合成法として知られているが,方法の簡便さから,マイクロアレイ電極のレセプター薄膜の作製方法として適していると考え,酵素分子を包括したゾル-ゲル薄膜をレセプター部とするバイオセンサーの研究を行った.しかし,酵素分子がゲル格子から脱離しやすく,長期安定性に問題があった.そこで,ゾル-ゲル被膜をグルタルアルデヒド蒸気にさらし,包括された酵素分子を架橋して高分子化することで,安定性は改善されたが,酵素の種類によっては活性の低下が認められた.そこで,アビジン分子がビオチン標識酵素と強固な複合体を形成することを利用し,オルトケイ酸メチル(TMOS)をゾル-ゲルマトリックスとして,アビジン-ビオチン標識酵素複合体をシリカゲル薄膜中に包括したバイオセンサーを開発した.このセンサーでは,複合体が3次元的な立体構造をもつ巨大分子であるため,シリカゲル格子から抜け出さないことと,酵素分子に共有結合を導入せず生物親和力で複合体を形成しているので,高活性(高感度)で長期にわたり安定なセンサーが得られた.この方法で種々のマイクロアレイ電極に酵素レセプター薄膜を作製し,分子ふるい機能を持った有機電解重合膜をハイブリッド化して,グルコース,コレステロール,総コレステロール,尿酸などを同時に検出できる医療計測用センサーや,オルトリン酸,総リン酸,アンモニアなどを計測できる環境計測用センサー,さらに魚肉や蓄肉の鮮度センサーなどに応用した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshio Yao: "Amperometric Biosensor with a Composite Membrane of Sol-Gel Derived Enzyme Film and electrochemically Generated Poly (1, 2-diaminobenzene) Film" Biosensors & Bioelectronics. 13 (1). 67-73 (1998)
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[Publications] Toshio Yao: "Highly Sensitive Detection of L-Glutamate by On-Line Amperometric Micro-Flow Analvsis Based on Enzymatic Substrate Recycling" Talanta. 45 (5). 917-923 (1998)