1997 Fiscal Year Annual Research Report
非水系溶液を用いるキャピラリー電気泳動による環境科学関連物質の高性能分析
Project/Area Number |
09640733
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
大塚 浩二 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (70183762)
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Keywords | 非水系溶液 / キャピラリー電気泳動 / 環境科学 / 有機溶媒 / シクロデキストリン / MEKC / CE |
Research Abstract |
水系溶液を用いるキャピラリー電気泳動(CE)では脂溶性試料の分析が困難である。環境科学関連物質にはPCBやダイオキシンに代表されるように脂溶性物質が数多く存在し,CEによる分析を行うためには分離溶液を非水系とする手法が有効である。本研究では,非水系溶液を用いるCEについて基本的性質を検討して分析条件の設定を行った後,脂溶性環境汚染物質の分離及び検出条件を検討した。また,非水系溶液における脂溶性添加剤の利用についても検討を行った。 1.非水系溶液を用いるCEの分析条件設定として,使用する有機溶媒及び添加する塩の選択を行い,有機溶媒としてはメタノール,アセトニトリル,ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド,アセトン,テトラヒドロフランなどが,塩としては種々のテトラアルキルアンモニウム塩,酢酸塩類などが同系において有効であることが明らかとなった。 2.フタル酸アルキルエステル類及び多環式芳香族炭化水素(PAH)について,それぞれの混合物の分離条件を検討した。フタル酸エステル,PAH共に中性化合物であるが,分離溶液に硫酸ドデシルナトリウム(SDS)を添加してミセル動電クロマトグラフィー(MEKC)モードを利用することにより分離が可能であった。前者の分離ではSDS水溶液を含むメタノールが,また後者の分離ではアセトンが適当であった。 3.除草剤成分のCEによる分離と質量分析法による検出をオンラインで行うCE-MSについて検討した。アセトニトリルにシクロデキストリン誘導体を溶解した分離溶液により,3種の除草剤成分の分離とMSによる安定した検出が可能であった。 4.光学活性な脂溶性添加剤をアセトニトリルに溶解した分離溶液を用いることにより,光学異性体の分離が可能であることが明らかとなった。
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[Publications] Takuya Yamaguchi: "Simultaneous Separation of Seven Pairs of D, L-Dansylamino Acids by Capillary Electrophoresis with 2, 3, 6-Tri-O-methyl-β-cyclodextrin in Acidic Media in the Presence or Absence of Surfactants" Chromatography. Vol. 19(in press). (1998)