1997 Fiscal Year Annual Research Report
水生植物の換気機能および土壌からのガス放出速度に関する研究
Project/Area Number |
09640746
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
土谷 岳令 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (20227432)
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Keywords | 水生植物 / 換気 / 加圧 / 生理生態 / ガスフラックス / コンダクタンス |
Research Abstract |
本年度は研究の目的のひとつである、さまざまな水生大型植物の換気機能を測定し、根圏に酸素を供給する能力のスクリーニングをおこなうことを重点的におこなった。まず最初に、微環境(葉温、気温、水蒸気圧、風速等)と植物の換気機能(換気速度や葉内圧、換気経路の各部位の通導コンダクタンス、葉の加圧ポテンシャル)を野外で測定するための携帯小型データ収集システムを小型ロガーとコンピュータを用いて構築した。マスフローセンサーとコンピュータの電源電圧の特殊性およびこれらの消費電力が意外と大きいために、電源部分の設計、制作に時間を費やした。しかし、測定プログラムの制作は順調に進み、スイレン、ガガブタ、アサザ、ハス、コウホネ、ミズヒナゲシ等の加圧能力、換気能力ともにある種、トチカガミ、ホテイアオイなどの加圧能力は高いが、換気速度は非常に小さいかほどんどない種、それにヒシ、ジュンサイ、ヒルムシロなどの加圧、換気能力ともにない種に分類できた。今後、野外での効率的な測定スケジュールを開発したい。 第二の研究目的である植物群落の土壌からの窒素ガスおよびメタンガス放出速度と換気速度との相関を明らかにすることは、来年度に持ち越した課題となってしまった。これは、植物体を通過するガスフラックスの測定に時間を費やしていまったからで、冬期間にグロースキャビネット内でポット植えしたヨシやマコモを用いた実験によって来年度までには測定法法を確立できる感触を得た。
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