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1997 Fiscal Year Annual Research Report

アイスアルジ-の光エネルギー獲得メカニズムの生理生態学的研究

Research Project

Project/Area Number 09640760
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionNational Institute of Polar Research

Principal Investigator

工藤 栄  国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 助手 (40221931)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 菓子野 康浩  姫路工業大学, 理学部, 助手 (20221872)
伊村 智  国立極地研究所, 研究系, 助手 (90221788)
Keywordsアイスアルジ- / 光合成 / 光合成補助色素 / 珪藻 / 光化学系 / 光環境応答
Research Abstract

海氷中で光合成によりエネルギー獲得し生活するアイスアルジ-の光利用について生理生態学的研究を開始した。本年度はアイスアルジ-の光捕集機能を担う光合成色素組成と得られたエネルギーの伝達を担う光化学系I、IIの割合の分析を行った。北海道サロマ湖の季節海氷試料中でアイスアルジ-として圧倒的に優占していたのは顕微鏡観察の結果、珪素単群集であり,光合成色素としてクロロフィルa、cと4種のカロチノイド(フコキサンチン、ディアトキサンチン、ディアディノキサンチン、ベータカロチン)が高速液体クロマトグラムで検出された。クロロフィルcとフコキサンチンは弱光環境(海氷の最下部)から得たもので少なく、強い光の試料で相対的に量比を増す傾向があった。クロロフィルcやフコキサンチンは光合成補助色素として光を吸収し光り化学系へエネルギーを伝達する機能を持つと考えられる。この意味では弱い光環境でこれら補助色素群が相対的に減少したことは高等植物でみられるような光適応現象とは反対の応答を行っていたと解釈された。また、カロチノイド色素は強過ぎる光エネルギーを緩和し、光合成系を守るという機能をももつ。アイスアルジ-は海氷という光環境の限られた環境で生活する藻類ゆえ、光合成系が本来弱い光が利用できるようになっており、強い光にさらされた場合に補助色素系がサングラスのように機能していた可能性もある。これらの疑問に答えるべく光合成反応中心の量比に関して解析を進めた。光合成色素量比の変動に伴い光化学系IとIIの量比も変動しており、弱い光では光化学系IがIIよりも著しく小さくなっているというデータを得た。これは光化学系Iの反応速度がIIに比べ速く、光エネルギーの少ない環境では光化学系IIからIへの電子供給が間に合わなくなるというこれまでの知見に基づくと、本研究のアイスアルジ-は弱い光エネルギーになるとそれを補うように相対的に系IIからIへの供給量を増すように応答したものと推察された。この応答は光合成色素組成の変動で見られたのと同様、陸上緑色植物の光環境変動との応答とは逆の様式であった。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] Kashino Y, et al.: "Photosynthetic pigment composition of ice algal and phytoplankton assemblages in early spring in Saroma Ko Lagoon,Hokkaido,Japan." Proceedings of the NIPR Symposium on Polar Biology. 11. 22-32 (1998)

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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