1998 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナとタバコ植物のアブシジンアルデヒド酸化酵素のcDNAクローニング
Project/Area Number |
09640775
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Research Institution | TOKYO METROPOLITAN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小柴 共一 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (80117704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関本 弘之 東京大学, 総合文化研究科, 助手 (20281652)
神谷 勇治 理化学研究所, ホルモン機能研究チーム, チームリーダー (30100051)
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Keywords | アブシジン酸(生合成) / アルデヒド酸化酵素 / シロイヌナズナ / タバコ / cDNA クローニング / アブシジンアルデヒド / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
アルデヒド酸化酵素は,植物ホルモンアブシジン酸の生合成の最終段階の反応であるアブシジンアルデヒドからアブシジン酸の生成を触媒する酵素と考えられている.すでに昨年度の研究により,シロイヌナズナのアルデヒド酸化酵素(AO)をコードすると考えられる4種の全長cDNAクローンを得ることに成功したため,本年度は,これらのコードするタンパク質を特定するため,それぞれに特異的な抗体の作成,酵母(Pichia pastoris)での機能的発現について実験を進めた.その結果,シロイヌナズナの芽生えで検出される3種AOは,2種のAO遺伝子によりコードされ,葉に多く分布するAOはこれとは別のAO遺伝子により作られることが明確になった.また,こうして明らかになった4種のAOは,基質特異性,発現の時期・器官分布が異なり,それぞれ植物体内において別の生理的役割を担っていることが明確になった.特に,葉のAOはアブシジン酸の生合成への関与の可能性が強く注目される. また,タバコについては,ロゼット葉からAOを抽出・精製を進めた.その結果,タバコ葉のAOのアブシジン酸の生合成への関与については否定的だった.しかし,シロイヌナズナで得られている結果を考えると,タバコ葉にアブシジン酸の生合成に特異的に働く別のAOが存在する可能性が強い.
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[Publications] Seo, M.et al.: "Higher activity of an aldehyde oxidase in..." Plant Physiol.116. 687-693 (1998)
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[Publications] Sekimoto, H.et al: "Molecular cloning and characterizatin of..." Plant Cell Physiol.39. 433-442 (1998)
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[Publications] Mitsuhashi, N.et al.: "Effect of γ-radiation on..." Phytochem.48. 1281-1286 (1998)
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[Publications] Kondoh, K.et al.: "γ-Irradiation damage to the foroplast in..." Environ.Exp.Bot.39. 97-104 (1998)
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[Publications] Wada, H.et al.: "Involvement of peroxidase in differential..." Plant Sci.139. 109-119 (1998)
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[Publications] Akaba, S.et al.: "Aldehyde oxidase in wild type and..." Plant Cell Physiol.39. 1281-1286 (1998)
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[Publications] 小柴共一(共著): "植物ホルモンのシグナル伝達" 秀潤社, 26-38 (1998)