1998 Fiscal Year Annual Research Report
植物システインプロテアーゼ:多段階翻訳後プロセシングと細胞内輸送
Project/Area Number |
09640776
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
南川 隆雄 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30087001)
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Keywords | システインプロテアーゼ / 翻訳後プロセシング / エンドペプチターゼ / ケツルアズキ / イネ / 種子発芽 / 細胞内輸送 / アミノ酸配列 |
Research Abstract |
(1) システイン・エンドペプチダーゼ(SH-EP)のC末端プロセシング:ケツルアズキ発芽子葉で活性を表す酵素SH-EPのKDEL配列を含むC末端プロペプチドの機能を明らかにするために、SH-EP(KDEL+,-)タンパク質を各々別個に昆虫培養細胞Sf9中で発現させ、それらのタンパク質の細胞内輸送とプロセシング機構を解析した。その結果、SH-EPプロぺプチド中のC末端KDEL配列はSH-EPを前駆体の形で小胞体内腔に一時的に残留させる機能をもち、さらに、小胞体内腔においてその配列が切除されると、SH-EPはリソソームへ輸送されることが分かった。これによって、小胞体内腔内にKDELプロセシング酵素が存在することが推定された。 (2) イネのアスパラギニル・エンドペプチダーゼ(REP-2)の分子クローニングと役割:イネ発芽種子の抽出液から各種クロマトグラフィーを用いて2種のシステイン・エンドペプチターゼ、REP-1とREP-2を単離した。このうちREP-1はイネの貯蔵タンパク質分解に主要な役割を果たすことが分かった。また、REP-2はクローニングされたcDNAの塩基配列をもとに推定したアミノ酸配列から、アスパラギニル・エンドペプチダーゼに属することが判明した。REP-1は長いプロ配列をもつ前駆体として合成されるが、SH-EPからの類推により、このREP-1前駆体のプロセシングにREP-2が作用している可能性が示唆された。二次元ゲル電気泳動等の分析結果から、REP-2は分子量と等電点の異なる少なくとも3つのイソフォームからなることも分かった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Okamoto, T.and.Minamikawa, T.: "A vacuolar cystcine endopeptidase (SH-EP) that digests seed storage globulin characterization, regulation of gene expression, and posttranslational processing." J.Plant Physiol.152. 675-682 (1998)
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[Publications] Kato, H.and Minamikawa, T.: "Molecular cloning and possible role of an asparaginyl endopepetidase (REP-2) from germinated rice seeds." Plant Cell Physiol.印刷中. (1999)
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[Publications] Okamoto, T.and Minamikawa, T.: "Molecular cloning and characterization of Vigna mungo processing enzyme 1 (VmPE-1), an asparaginyl endo-pepetidase possible involved in post-translational processing of a vacuolar cysteine endopeptidase (SH-EP)." Plant Mol.Biol.印刷中. (1999)