1997 Fiscal Year Annual Research Report
下等緑色植物に固有な膜配向型フィトクロムの生理学的・分子生物学的解析
Project/Area Number |
09640777
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
門田 明雄 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (60152758)
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Keywords | フィトクロム / 青色光吸収色素 / 光屈性 / 葉緑体光定位運動 / 下等緑色植物 / シダ |
Research Abstract |
植物は光を環境情報として利用し、フィトクロムを介して光形態形成反応を示す。シダ配偶体では、フィトクロムに、細胞膜近辺に配向するものとしないものがある。直線偏光下で作用二色性を示すことを特徴とする膜配向型フィトクロム反応は、シダ類から藻類にいたる下等緑色植物には一般的に見られ、下等緑色植物に固有のものである。本研究ではこの膜配向型フィトクロム反応のみを欠失したホウライシダrap変異体を用いて膜配向型フィトクロムおよびその光信号伝達過程を生理学的、分子生物学的方法で解析する。本年度は次の結果を得た。 ホウライシダ野生型配偶体では胞子発芽、原糸体の先端成長、細胞分裂、光屈性、葉緑体光定位運動がフィトクロムによって調節されており、後2者が膜配向型フィトクロムに制御されている。rap変異体5株(rap2,7,32,33,39)はいづれもフィトクロム依存光屈性、葉緑体光定位運動を欠失している。これに対し、青色光吸収色素依存の光屈性、葉緑体光定位運動は正常である。この表現型はフィトクロム色素団の前駆体であるビリベルディンを加えても回復せず、また非配向フィトクロムによる光発芽制御は正常であった。したがってrap変異は高等植物で知られるような色素団合成系の変異ではない。rap2の先端成長、細胞分裂のフィトクロム制御も定性的には野生株と同様であり、非配向フィトクロムの反応には変化が見られない。上記5つの生理反応はいづれも青色光吸収色素によっても調節されており、フィトクロムと相互作用を持つ。胞子発芽反応と葉緑体光定位運動を用いて調べると、この相互作用に変化が見られることがわかった。現在さらに解析を進めている。さらに、トランスジェニック植物を用いて、研究を進めるために、パ-チクルガンを用いて形質転換のための条件検討を行った。
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