1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640779
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
園部 誠司 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (30197024)
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Keywords | 細胞質分裂 / 細胞板 / 隔膜形成体 / ゴルジ装置 / キシログルカン / タバコ培養細胞BY-2 |
Research Abstract |
植物細胞の細胞質分裂は隔膜形成体によって細胞のしきりである細胞板が形成されることによって行われる。隔膜形成体では微小管によってゴルジ小胞が分裂面に運ばれ、融合すると考えられているが、その運搬や融合の分子機構は不明である。本研究は分裂期の細胞からゴルジ小胞を単離し、これらの解明をめざすものである。 タバコ培養細胞BY-2を分裂後期に同調し、プロトプラストを破砕、遠心して膜小胞分画を得た。さらに、膜小胞分画をしょ糖密度勾配遠心し、分画し3つの分画を得た。比重の大きい分画にこれまで報告されているゴルジ小胞と微細構造的によく似た膜小胞が含まれていた。また、この分画にはキシログルカンが含まれていること、微小管結合能を持つ膜小胞が存在することなどが明らかになった。しかし、現段階では細胞板形成に関与するゴルジ小胞の単離・同定には至っていない。今後、隔膜形成体を単離するなどしてより特異的な単離方法を用いることで目的を達成したいと考えている。 今回用いた抗キシログルカン抗体は細胞染色にも利用でき、細胞板形成に関わるゴルジ小胞が隔膜形成体形成以前にすでに紡錘体に沿って分裂面に集合しつつある像が観察された。これは細胞板形成の初期段階ではゴルジ小胞が紡錘体微小管によって集められ、その後隔膜形成体が形成される可能性を示唆したが、紡錘体中に隔膜形成体微小管が存在していた可能性もあり今後さらに詳細に解析すれば隔膜形成体の形成機構にも迫ることができると思われた。
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[Publications] 園部誠司: "Cell model systems in plant cytoskeleton studies" Int. Rev. Cytol.175. 1-27 (1997)
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[Publications] 富永基樹: "Microtubules regulate the organization of actin filaments at the cortical region in root hair cells of Hydrocharis" Protoplasma. 199. 83-92 (1997)