1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640811
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
矢沢 徹 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (30106603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑沢 清明 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (10015589)
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Keywords | 甲殻類 / 血液 / HPLC / モノアミン / アミノ酸 / 神経伝達物質 / 威かく行動 / ホルモン |
Research Abstract |
甲殻十脚類は、鋏をおおきく開いて鋏脚をもちあげる威嚇姿勢を見せる。このような自由行動中の神経伝達物質あるいはホルモンの濃度をリアルタイムで分析した研究はほとんどない。行動と体液中の神経伝達物質濃度とを連関させる研究のための基盤的研究として、甲殻類の血液中のアミノ酸神経伝達物質濃度、モノアミン神経伝達物質濃度のHPLC分析を試みた。特にキャピラリーカラムによる超高感度HPLC分析のためのサンプルの調製方法を確立すること、および血液中のモノアミン類、アミノ酸類の濃度の基準値を得ることを目的とした。アメリカザリガニ(Procambarus clarkii)を用いた。氷麻酔した動物、および室温で威嚇姿勢をとっている動物から、一個体0.5-1.0mlを採血した。血液を混合しプールすることなく各個体ごとに個別にHPLC分析した。甲殻類の代表的アミノ酸神経伝達物質(グルタミン酸とGABA)はどの個体の血液中からも、また、氷麻酔下でも室温条件下でも、安定した値で検出された。氷麻酔下でも室温において闘争姿勢を見せている条件下でも、GABA濃度もグルタミン酸濃度もほぼ同じであった。モノアミンの分析には技術的な検討課題が残ったが、モノアミンの血中濃度がわれわれの方法で測定できることがわかった。
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