1999 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ概日時計入出力系を中心としたコリン作動性神経系の機能解剖
Project/Area Number |
09640816
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
泰山 浩司 川崎医科大学, 医学部, 講師 (60148690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富岡 憲治 山口大学, 理学部, 教授 (30136163)
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Keywords | キイロショジョウバエ / コリン作動性ニューロン / 網膜外光受容器 / 視物質 / 概日時計 |
Research Abstract |
本年度は、概日時計入力系に関与すると考えられるコリン作動性網膜外光受容器(eyelet)の構造と機能をさらに調べるために、免疫組織化学的方法を用いて解析を行い、次の結果を得た。1.ショウジョウバエの複眼および単眼の光受容細胞では、これまでに6種の視物質(オプシンRh1〜Rh6)遺伝子の存在が明らかにされている。本研究では、抗-NINAE(Rh1),-Rh4,Rh5,-Rh6抗体を用いる免疫電顕法により視物質の検索を行い、eyeletの光受容細胞のラブドームが、抗-Rh6オプシン抗体によって特異的に標識されることを明らかにした。Drosophila Rh6の分子構造は,ミツバチの緑色域に感度を持つ視物質に類似することなどから,eyeletは緑色光に分光感度を持つ可能性が推測できる。2.Rh1オプシンの発現異常に起因して個眼の周辺視細胞Rh1-Rh6のラブドームが変性するninaE突然変異体(ninaE^<ora>,ninaE^<l17>)では、eyeletのラブドームには変性は認められなかった。この観察は、eyeletがNINAE抗体で標識されず視物質はRh1ではないという免疫組織化学的結果と対応する。3.個眼の中心視細胞R7を欠如するsevenless突然変異体のeyeletでは,ラブドームの微細構造に異状はみられなかった。このことから、eyeletの光受容細胞はR7と起源を同じくするものではないと考えられる。4.eyeletの発生学的起源に関しては、(1)幼虫光受容器は,蛹期に退化し成虫ではみられないこと,(2)eyeletは4個の受容細胞からなる。一方,幼虫光受容器は12個の細胞から構成されていること,(3)sine oculis突然変異体の成虫にはeyeletは存在するが、この変異体の幼虫には光受容器が見られないこと,などを根拠として、eyeletは幼虫光受容器に由来するものではないと推測される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yasuyama,K.et al: "Localization of choline acetyltransferase-expressing neurons in Drosophila nervous system"Microscopy Res.Tech.. 45. 65-79 (1999)
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[Publications] Yasuyama,K.et al: "Extraretinal photoreceptors at the compound eye's posterior margin in Drosophila melanogaster"Comp.Neurol.. 412. 193-202 (1999)
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[Publications] 泰山 浩司: "キイロショウジョウバエ神経系におけるコリンアセチルトランフェラーゼ発現ニューロンの分布"比較生理生科学. 17・1(印刷中). (2000)
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[Publications] Matsumoto,A.et al: "tim^<rit> lengthens circadian period in a temperature dependent manner through suppression of PERIOD protein cycling and nuclear localization"Mol.Cell.Biol.. 19. 4343-4354 (1999)
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[Publications] 富岡 憲治(分担執筆): "津田基之編「シリーズ・光が拓く生命科学、第一巻生物の光環境センサー」3-2動物の概日時計"共立出版. 14 (1999)