1998 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島に固有のハネカクシ科甲虫(昆虫網)の分布とその成立
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09640831
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Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
直海 俊一郎 千葉県立中央博物館, 動物学研究科, 上席研究員 (10212078)
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Keywords | 昆虫 / ハネカクシ科 / Sepedophilus / Stenus / 新種 / 日本列島 / 雄交尾器 / 基部管 |
Research Abstract |
本年度は,中部地方,関東地方,および中国地方において,ふるい法を中心に,調査・収集を行った.調査は,種分化が著しいシリホソハネカクシ亜科(Tachyporinae)およびメダカハネカクシ亜科(Steninae)ハネカクシを中心として行った.中部地方の調査は,佐渡島で行った.本島では,これまでStenus indubius種群のハネカクシ,およびLomechusa属ハネカクシは知られていなかったが,今回初めて発見することが出来た.岡山県の臥牛山を中心とした調査では,Steuns enmaおよびS.yamajiiを中心に,メダカハネカクシの分布を調査した.また,Sepedophilus pedicularius種群のハネカクシの収集も同時に行った.千葉県の高宕山を中心とした調査では,Stenus disterminusを高宕山から,.S.kiyosumiensisを南房総の千倉町から新記録として記録した.また,本年採集した後者の種と,手元にある神奈川県の丹沢山系に分布する新種のStenussp.(新種)の比較から,両種が非常に近縁であることが分かった.おそらく,両種の共通祖先種は,かつて南房総と神奈川県が陸続きであった頃,その領域に広く分布していたと予想される. なお,今回の申請課題の研究結果として,裏面に挙げた1つの論文発表を行った.日本産のSepedophilus pedicularius種群に属するハネカクシは,すべて新種および新亜種であることが分かったので,日本列島の様々な地域から8新種1新亜種を記載した.そのとき,雄交尾器の中央片の内部にある基部管(basal tube)の長さが,種によって異なっていることが分かった.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Shun-Ichiro Naomi & Munetoshi Maruyama: "A Revision of the genus Sepedophilus Gistel(Coleoptera,Staphylinidae,Tachyporinae)from Japan:species group of s.pedicularius" Japanese Journal of Systematic Entomology. 4(1). 51-75 (1998)