1999 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島に固有のハネカクシ科甲虫(甲虫網)の分布とその成立
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09640831
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Research Institution | Naturall History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
直海 俊一郎 千葉県立中央博物館, 動物学研究科, 上席研究員 (10212078)
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Keywords | 昆虫 / ハネカクシ科 / Stenus / 新種 / 種分化 |
Research Abstract |
本年度は,平成9-10年度で調査できなかった地域(静岡県,長野県など),あるいは調査が不十分な地域(千葉県,栃木県など)において,メダカハネカクシ属Stenus(Steninae Stenus indubius種群の調査を行った.千葉県南部および栃木県北部の山地で行った調査では,Stenus indubius種群の調査を行った.千葉県では,S.Kiyosumiensisの新産地を見出した.栃木県では,多くのメダカハネカクシを収集したが,それらを詳しく調べた結果,その中にこの種群に属する1新種が含まれていることが解った.この新種については,近い将来新種として記載する予定である.7月末から8月初めには,富士山の北部および東部山麓において調査を行った.この調査では,メダカハネカクシ属Hypostenus亜属の3新種が得られた.そのなかの1種は,富士山の北部山麓であるスバルラインの終点部の森林落葉下から,別の1種は東部山麓にあるアザミラインの終点部の森林落葉下から採集された.詳しい外部形態や交尾器構造の比較から,これらの2種は,いずれも近畿地方から記載されたS.syugenに近縁な種であり,結果的に,同じ山の山麓で異所的に種分化したものらしいということが解った.最後の1種は,スバルラインの終点の森林落葉下から採集されたものである.本種は,富士山の青木が原から記載されたS.nyoraiに近縁な種であった.これらの3新種は,近い将来記載する予定である. なお,本年度は,本研究の3年目の最終年度であるため,この3年間に得られた資料等を踏まえ,日本列島に固有のハチカクシ科甲虫の分布とその成立について議論した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shun-Ichiro Naomi: "Description of three new species of Stenus from Japan (Coleoptera,Staphylinidee)"Jpn.J.Syst.Ent.. (発表予定).
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[Publications] Shun-Ichiro Naomi: "A new species of Stenus from northern Kanto,central Japan (Coleoptera,Staphylinidee)"Nat.Hist.Res.,chiba. (発表予定).