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1999 Fiscal Year Annual Research Report

ニホンザルにおける所有行動とその発達

Research Project

Project/Area Number 09640839
Research InstitutionKobe Gakuin University

Principal Investigator

早木 仁成  神戸学院大学, 人文学部, 教授 (60228559)

Keywordsニホンザル / 霊長類 / 所有 / 社会行動 / 社会的抑制 / 宥和行動 / 遊び / 子守り
Research Abstract

兵庫県佐用郡船越山およ京都市嵐山において収集した映像資料を整理して分析するとともに、あらたに、香川県小豆島においてデジタルカメラを用いてニホンザルの所有行動に関する映像資料を収集した。また、チンパンジーとクモザルについて、物の保持に関する資料の分析を始めた。
ニホンザルにおいて採食意外の状況で所有に関連する現象が生じる場面は、主に遊びや子守りの場面であった。遊びの場面では、石遊びや枝を使って追いかけあう遊び、ガラスの破片をもてあそぶ、空き缶を保持するなど、物を保持する行動が観察された。物を保持している時間はかならずしも長くはなかったが、ときにはその物への執着が見られ、一度手放した物をもう一度保持するといった場面も観察された。このような物への執着が社会的な遊びのきっかけになることもあったが、物の奪い合いによって攻撃的な状況に至ることはなかった。
赤ん坊をめぐる社会交渉は、赤ん坊を母親の所有物とみなせば、所有者と所有物とその所有物に関心を示す他者との三項関係を探る一つのモデルになると考えられる。ここでも、子守りをしようとする側には攻撃的な要素はみられず、その所有者(母親)が自分よりも劣位な場合でも、グルーミングなどの宥和的な交渉に誘うといった行動が観察された。このような社会的抑制と宥和的な手続きは、社会的規範としての所有の成立に不可決のものであると考えられる。

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Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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