1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640840
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama Medical School Junior College |
Principal Investigator |
小島 龍平 埼玉医科大学短期大学, 理学療法学科, 助教授 (20241804)
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Keywords | 固有背筋 / 筋線維タイプ構成 / ニホンザル / 機能形態学 / ロコモーション / 組織化学 |
Research Abstract |
ニホンザルの胸腰部の固有背筋について組織化学的に筋線維タイプ構成を検索し,これらの筋を構成する各筋間および筋内部位間で比較をおこない,機能形態学的な検討をおこなった.ニホンザル成獣3頭(雄1頭,雌2頭)の右側の固有背筋の筋試料をTh3,6,11およびL1,4,6の高さで採取し,myosinATPase染色およびSDH染色を施し,筋線維タイプを酵素組織化学的にtypeI線維(slow twitch線維)およびtipeII線維(fast twitch線維)に分類した.脊柱にそった高さによって,また各筋間および筋内部位間で筋線維タイプの分布が異なっていた.腰部においては外側に位置する仙棘筋(腸肋筋と最長筋が癒合することにより形成される)はtypeI線錐は全体の12.23%と比較的少なく,内側に位置する棘筋-横突棘筋系においては表層ではtypeI線維は12-18%と比較的少なく深部では40-44%と比較的多かった.また,仙棘筋の内側深部に位置する筋束ではtypeI線維は69-88%と特に密集していた。この筋束はごく近くにある椎骨同士を結ぶ短い筋束に相当していた.胸部においては外側に位置する腸肋筋(typeI線維は36-42%)は,その内側に位置する最長筋(typeI線維は17-38%)に比べてtypeI線維が多かった.また,最も内側に位置する棘筋-横突棘筋系においてはtypeI線維は41-61%と比較的多かった.固有背筋を構成する各筋間および筋内部位間で筋線維タイプ構成に違いがあるということは,これらの筋間および筋内部位間で機能的に分化が存在することを示唆する.次年度においては,これらの筋を構成する筋束の構築学的特性を明らかにし,筋横断面上で検索した筋線維タイプ構成と対応させ,より詳細な筋の機能形態学的検索をおこなう.
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