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1998 Fiscal Year Annual Research Report

ダイヤモンド結晶を用いた透過型X線偏光素子の開発

Research Project

Project/Area Number 09650007
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

雨宮 慶幸  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70151131)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 長谷川 祐司  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60282498)
Keywords偏光子 / シンクロトロン放射 / X線偏光解析 / ダイヤモンド結晶 / 完全結晶 / 動力学的回折理論
Research Abstract

我々は、まず、透過型偏光素子の素材選定から始めた。我々が目的としている超高消光比を達成するには、X線ビームの伝播の正確な計算が可能な領域、すなわち動力学的回折理論が適用できる領域、を提供する様な材質を選ぶ必要がある。その候補としては、シリコン、ゲルマニウム、ダイヤモンドの各単結晶が挙げられる。我々は、実際に各単結晶を用いた際に期待され偏光素子の機能に関して動力学的回折理論に基づいて計算を行った。その結果、以下のことが判明した。(1)シリコンは、現在、最も一般的に精密X線光学素子として用いられており、最有力候補といえる。(2)ゲルマニウムとダイヤモンドはそれらの結晶の完全性は、まだ、不十分なことも予想される一方、後者はシリコンに比べてX線に対して低吸収による高効率を示すという長所を持つ。以上のことから、我々は、まずダイヤモンド単結晶の完全性の特徴付けから着手した。具体的には、3つのブラッグ条件を満たしたダイヤモンド単結晶を連続的に配置した際のX線透過率を測定した。その結果、計算では透過率は10-8以下のオーダーであることが予想されたが、測定では10^<-3>のオーダーであった。ここで、我々は、ダイヤモンド単結晶は、まだ、結晶の完全性が十分でないので、透過型偏光子には使用できない、と結論づけた。次に、シリコン単結晶に関しては、不必要な吸収による効率の低下を防ぐため結晶を10μm程度に薄くする必要があった。このようなシリコン単結晶薄板を製作し、透過率測定では計算値とほぼ同程度の値を得た。次に、この薄板の偏光子としての機能の特徴付け実験を行った。その結果、水平偏光方向に対する垂直偏光方向の強度として定義される偏光度として105以上という値を得た。このことから、この偏光子はX線偏光解析に使用可能であり、特に分光的実験に十分適していることがわかった。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 長谷川・雨宮 他: "Transmission-type X-ray linear polarizer with perfect crystals" Journal of Synchrotron Radiation. 5. 738-740 (1998)

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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