1998 Fiscal Year Annual Research Report
走査トンネル顕微鏡を用いたトンネル電子ルミネッセンス法のシリコンナノ構造への応用
Project/Area Number |
09650009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
目良 裕 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40219960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 康二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10107443)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / ルミネッセンス / SiGe / 半導体 / ナノ構造 / 欠陥 / 転位 / 電子励起 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、トンネル電子ルミネッセンス装置の調整を行ったが、もともと極めてシグナルレベルが小さいため、SN比のよい測定をするのが困難であり、検出効率の向上を図るために以下のことを行った。 (1) 走査電子顕微鏡を用いたカソード・ルミネッセンス法による発光効率評価 走査電子顕微鏡により試料を励起して、その際の発光を検出するカソード・ルミネッセンス法を用いれば、現在対象にしている試料がどの程度の発光効率を持っているかを評価することができる。この目的でカソード・ルミネッセンス測定を行い、試料の発光効率を評価した。 (2) 原子分解能STM探針自動作成装置の試作 走査トンネル顕微鏡(STM)探針からのトンネル電子によって半導体試料の電子正孔対を励起し、発光を原子分解能像と比較可能なように検出するためには、探針からできるだけ大きな電流が取り出せ、かつ同じ探針でSTM観察が原子分解能で行えることが必要である。通常のトンネル電子で励起を行う場合は影響は顕著ではないが、電解放射電子を励起に用いる場合は探針先端の先鋭度が電流量に大きく影響してくる。このために、電解研磨によって先鋭なタングステン探針を再現性良く作成する方法を開発した。液面下の探針材が落下する際の研磨電流の変化を検知し電解電流を遮断するまでの時間を50nsまで短縮することにより、200Vで6nAの電界放射電流を得ることに成功した。200Vまでの電圧依存性は、電界イオン顕微鏡で測定した探針先端の曲率半径から期待される理論式によく一致することを見出し、目的に十分な電流量が確保できる見通しを得た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Inoue: "Electronically enhanced kink motion on 30 degree partial dislocations in Ge directly observed by plan-view high resolution electron microscopy" J.Appl.Phys.83. 1953-1957 (1998)
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[Publications] Y.Nakamura: "A Reproducible Method to Fabricate Atomically Sharp Tips for Scanning Tunneling Microscopy" Rev.Sci.Instrum.(submitted). (1999)