1998 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファスシリコンの光劣化に対するフローティングボンドの寄与
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09650010
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
久米田 稔 金沢大学, 工学部, 教授 (30019773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 章治 金沢大学, 工学部, 助教授 (60143880)
清水 立生 金沢大学, 工学部, 教授 (30019715)
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Keywords | 水素化アモルファスシリコン / 光劣化 / ダングリングボンド / フローティングボンド / ランダムネス / 電子スピン共鳴 / 光誘起電子スピン共鳴 / スピン格子緩和時間 |
Research Abstract |
欠陥生成とランダムネスの関係を、共有結合半径の大きく異なるGeとCの原子からなるa-Ge_<1-x>C_x:H薄膜と共有結合半径の近いGeとSiの原子からなるa-Ge_<1-x>Si_x:H薄膜における欠陥生成の様子を比較することにより調べた。C添加の場合、共有結合半径の違いによるランダムネスの増加が大きいために、Ge原子1個当たりのGeダングリングボンド(DB)はxの増加と共に増加することを示した。 さらに水素化アモルファスシリコンにおいて、Siダングリングボンド(DB)に対するスピン格子緩和時間T_1の光劣化に伴う変化を調べ、T_1はランダムネスに関係したアーバックエネルギーと良い相関があることを示した。光誘起ESR信号の幅の広い信号(BC)と幅の狭い信号(NG)に対するT_1は、DBに対するT_1とは異なり、光劣化と共に減少することを見出した。こと知見はBCがフローティングボンド(FB)に起因するものかどうか考える上でひとつの手がかりになるものと思われる。 次にFBが介在したDBの生成モデルに基づいて、光照射や電子線照射による欠陥生成過程を総合的に説明することを試みた。FBとDBのペア生成とペア消滅、FBとDBの相互変換、およびFB間のペア消滅を考慮したレート方程式を用いて、先ず電子線照射の実験をシミュレートした。さらに照射エネルギーの相違を考慮して、FB-DBペア生成項を変えることによって、光劣化過程も統一的に説明できることを示した。熱平衡欠陥の生成過程およびアニール過程も同じレート方程式によって説明できる可能性が大きく、シミュレーションを続行中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.KUMEDA,A.MASUDA and T.SHIMIZU: "Structural Studies on Hydrogenated Amorphous Germanium-Carbon Films Prepared by RF Sputtering" Jpn.J.,Appl.Phys.37・4. 1754-1759 (1998)
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[Publications] T.SHIMIZU,K.KATA,M.MITANI and M.KUMEDA: "Change of Spin-Lattice Relaxation Time with Light Soaking for Detects in Hydrogenated Amorphous Silicon" Jpn.J.Appl.Phys.37・10. 5470-5473 (1998)
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[Publications] 立田哲夫,本田 聡,竹橋由浩,久米田 稔,清水立生: "電子線照射による水素化アモルファス シリコンの欠陥生成(II)" 平成10年度日本物理学会・応用物理学会北陸・信越支部合同講演会 講演予稿集. 43-43 (1998)