2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650022
|
Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
木村 初男 福井工業大学, 工学部, 教授 (60023032)
|
Keywords | 高分子液晶 / 複合分子液晶 / 配向相転移 / 自由エネルギー / 剛直部と鎖との協力現像 / スペーサ依存性 / 棒状分子系の融解 / 転移エントロピー |
Research Abstract |
(1)高分子液晶:主鎖および側鎖として棒状低分子メソゲンを組み込んだ側鎖型高分子液晶は棒状剛直部と屈曲性炭化水素鎖の複合系とみなされるが、その統計理論を提案した。高分子液晶の自由エネルギーを剛直な主鎖および側鎖、並びに屈曲鎖それぞれの配向秩序度の関数として計算し、実現し得る安定な相構造、それらの相転移に関する転移温度、転移エントロピーを、組成剛直部の性質、高分子の重合度、主鎖および側鎖部間の相互作用ポテンシャル、屈曲性結合基(スペーサー)の物理的性質などと関連付けて理論的に検討した。 (2)複合分子の液晶:液晶分子を棒状の剛直部と屈曲性の鎖状部との複合体とみなすモデルを用いて、(1)棒状分子2個を炭化水素鎖でつないだ二量体分子および(2)1個の棒状分子の両端に2本の炭化水素鎖を取り付けた分子(典型的な液晶分子)、のそれぞれについて屈曲性鎖状部と剛直部がともに協力現象として配向相転移に能動的にかかわるとする理論を展開し、これらの液晶の相転移特性を定性的によく理解できる結果を得た。 (3)棒状分子系の融点:高い融点を持つ液晶分子の末端に炭化水素鎖を導入すると鎖が長くなるにつれて融点が単調に減少関数するという実験事実は、液晶分子が高い融点をもつ剛直分子(Tm〜450K以上)と融解した炭化水素鎖(Tm〜350K以下)との複合系であると考えるモデルによって説明できることを示した。
|