1998 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン表面上の金属・半導体成長における外部応力効果の研究
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09650026
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
箕田 弘喜 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20240757)
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Keywords | 外部応力 / シリコン / ゲルマニウム / インジウム / 3次元島成長 / 分域構造 |
Research Abstract |
電子銃タイプの蒸着装置を設計・製作し、この蒸着装置を用いて3族原子であるInを下地温度450゚C程度の条件でSiの(001)表面上に蒸着し、その表面上に形成される4×3構造の分域構造について外部応力の影響を調べた。具体的には4×3構造の方位分域である4×3、および3×4分域の面積比が、外部応力によりどの様に変化するかについて調べた。その結果、その表面上のダイマーボンドの向きが、印加する一軸性応力の方向と平行な分域である2×1分域上に形成される4×3分域は、表面に伸張性の応力を印加したときにその面積が増大し、圧縮性の応力を印加したときに収縮することが分かった。清浄表面においては、伸張性の応力を印加することで、2×1構造領域がその面積が増大し、圧縮性の応力を応力を印加することでその面積が減少することと同様な傾向を示しており、4×3構造は4倍方向に圧縮性の歪みがあることを示唆している。また、Si表面上のGeの成長における外部応力の影響についても調べた。具体的には、3次元島成長のはじまる臨界膜厚が、外部応力によりどのような影響を受けるかを調べた。その結果、3次元の島成長のはじまる臨界膜厚は、圧縮性の応力を印加した場合に増大し、伸張性の応力を印加した場合に減少することが分かった。また、この傾向は、わずか0.1%の応力を印加しただけでも認められることも分かった。これは、Siに比べGeの格子定数が約4%大きいことから、伸張性の応力を印加した場合には、下地の格子がわずかながら増大することで、蒸着したGeの格子の歪みの程度が小さくなることが原因であると考えられる。
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