1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650030
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小出 康夫 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70195650)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 英嗣 京都大学, 工学研究科, 助手 (60283644)
村上 正紀 京都大学, 工学研究科, 教授 (70229970)
|
Keywords | ダイヤモンド / 電子放出 / ディスプレイ / 電極 / 界面 |
Research Abstract |
近年次世代の新機能ディスプレイとして、電子放出形高輝度ディスプレイの実用化が期待されている。このディスプレイの高機能化および高性能化は、電子放出源となる固体材料の電子放出能力により決定される。ダイヤモンド系半導体は電子放出源材料として最も注目されている。しかしながら、ダイヤモンド半導体の放出電子の起源が現在のところ全く不明であり、高輝度電子放出源を作製する指導原理が存在しないのが現状である。本研究の目標は、2年間に渡り、(1)放出電子の発生起源を解明すること、(2)電子放出素子に必要な電極材料の普遍的な設計指針を構築することである。 初年度はマイクロ波励起気相成長法によりSi基板上に、ノンドープの高抵抗ダイヤモンド膜を作製しその電子放出特性を調べ、以下の結果を得た。 (1)種々の仕事関数をもつ金属を電子注入電極として選定し、電子放出特性を測定した結果、電子放出を開始する印加電圧は金属の種類に依存しないことがわかった。 (2)電子放出開始電圧はダイヤモンド膜の膜厚に強く依存し、20μm以下においては膜厚とともに減少し、20μm以上においては膜厚とともに増加した。 (3)ダイヤモンド結晶の微細構造を調べた結果、膜厚の増加とともに結晶粒径が増加することがわかった。また、ラマン散乱分光法によりダイヤモンドおよび非ダイヤモンド成分比を調べた結果、膜厚にほとんど依存しないことが判明した。 以上の結果より、ダイヤモンド膜を電子放出源として使うためには、不純物添加した低抵抗なダイヤモンド薄膜が必要であることがわかった。
|