1997 Fiscal Year Annual Research Report
半導体表面での吸着子超高速ダイナミックスの直接観察
Project/Area Number |
09650032
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡鍋 文哉 九州大学, 工学部, 講師 (30264063)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本岡 輝昭 九州大学, 工学部, 教授 (50219979)
|
Keywords | 電界放射 / アトミックダイナミックス / 表面拡散 / シリコン超薄膜 / マイクロマシーン |
Research Abstract |
今年度は、金属試料用に開発された電界放射フェムト秒カメラ(Femtosecond Field Emission Camera,FFEC)を、半導体試料表面での原子挙動観察を可能とするため、試料作製と装置改善を行った。 半導体表面での電界放射時間分解実験を行うためには、電界放射が可能な程鋭利なチップが必要であるが、これをシリコン等の半導体のみで作製する事は非常に困難であり、例え、作製可能であっても高電流放出にともない破壊するため寿命が非常に短くなる。そこで、本実験では、電界放射に対して極度に安定しているタングステンチップ上にシリコン薄膜を蒸着した試料を開発し、電界放射顕微鏡と透過電子顕微鏡により解析を行った。シリコンは固体ソースに通電加熱する事により液体窒素温度下のタングステンチップに蒸着させた。フィルムはチップ上に一様には付着せず、アモルファス構造となった。チップを瞬間的(〜0.1秒)に1300Kまで繰り返し加熱することによりシリコンはタングステンチップ上に一様に分布した。しかし、構造はアモルファスのままであり、結晶化することはなかった。この温度以上に加熱すると、タングステンシリコンが形成されるため、蒸着したシリコン薄膜を結晶化させるにはレーザーアニールが最適であろうと思われる。 パルスレーザーは、光励起電界放射により半導体表面からの放射電流を増加させると共に、上記試料の半導体薄膜結晶化を促成するために必要である。今回、静電レンズの小型化をはかり、チップ上へのレーザー光照射・シリコン蒸着を可能とした。 この研究を遂行中、電界放射用の試料として用いられるダイアモンドチップアレイを使った微細加工装置が開発された。この装置は走査型トンネル顕微鏡等の探針を用いて行われる微細加工技術(マイクロマシーン)を高速化するため、数百個のチップにより、同時に行うことの出来る装置である。
|