1997 Fiscal Year Annual Research Report
非線形光導波路の伝搬理論と光ソリトン伝搬シミュレーション
Project/Area Number |
09650039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小柴 正則 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40101521)
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Keywords | 非線形光導波路 / 光ソリトン / 時間ソリトン / 空間ソリトン / 時空間ソリトン / 光カー効果 / ビーム伝搬法 |
Research Abstract |
屈折率が光強度に依存して変化する非線形光学効果をもつ光導波路中の非線形導波光に対してCW光伝搬,パルス光伝搬,さらには,最近,理論的にはもちろんのこと,実用的見地からも関心が高まっている時間ソリトン,空間ソリトン,時空間ソリトンなどの光ソリトン伝搬のいずれにも対応可能な統一的な基礎理論を構築するとともに,これに基づいて非線形導波光シミュレーションのための新しいビーム伝搬法を開発することを目的として研究を進め,下記の成果を得た.まず,屈折率が光強度に依存して変化する.いわゆる光カー効果を有する非線形光導波路を対象として,パルス光伝搬解析に必要な基礎理論を構築した.具体的には,マスクウェルの方程式から,光パルスの振舞いを記述する基本式を厳密に導出した.この基本式は,時間依存項を除くと,従来から用いられている連続(CW)光伝搬解析のための基本式となる.また,パルス光伝搬解析の基本式から直接時空間ソリトンに対する非線形シュレ-ディンガー方程式を導出した.この方程式には,回折効果,分散効果,非線形効果が同時に含まれており,パルス幅が十分に広いとして分散効果を無視すると,回折効果と非線形効果がつり合うことによって形成される空間ソリトンに対する非線形シュレ-ディンガー方程式が導かれる.次に,ここで構築した基礎理論に基づいて,CW光伝搬,パルス光伝搬,光ソリトン伝搬シミュレーションのためのビーム伝搬法を新たに開発した.現在,このシミュレーションツールを用いて,光ファイバソリトンのような空間的閉じ込めを施した時間ソリトンと空間的閉じ込め構造を持たない時間ソリトンとの相違を明らかにすることを目標に,研究を続行中である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 小柴正則: "Reduction in Higher Order Effects on Logic Functions of Asymmetric Nonlinear Optical Fiber Couplers by Bandwidth Limited Amplification" Journal of Lightwave Technology. 15・2. 279-287 (1997)
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[Publications] 新井山 亮: "3-Dimensional Beam Propagation Analysis of Nonlinear Optical Fibers" IEICE Transactions on Communications. E80-B・4. 522-527 (1997)
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[Publications] 新井山 亮: "Three-Dimensional Beam Propagation Analysis of Nonlinear Optical Fibers and Optical Logic Gates" Journal of Lightwave Technology. 16・1. 162-168 (1998)