1998 Fiscal Year Annual Research Report
完全円偏光の生成とこれを用いた分光エリブソメーターの精密校正法の開発
Project/Area Number |
09650041
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 正樹 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (00137887)
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Keywords | 分光エリプソメーター / 校正法 / 完全円偏光 / 裏面反射 / 屈折率不均一 / エリプソメトリー / 偏光解析法 / 高正確度測走 |
Research Abstract |
本研究では回転検光子型分光エリプソメーターで,完全円偏光を基準偏光として生成して,0.02%の精密度で装置を校正する方法を確立し,系統誤差の程度と性質を明らかにして,オーバーオールに測定の正確度を0.1%にすることを目的とした. 装置固有の各種の系統誤差を分離して検知し,処理する方法を考案した.理想的に校正された回転検光子装置では,完全円偏光に対しては出力が直流成分のみになる.残留周波数成分が回転数に一致する場合は,プリズム検光子の微小偏角によるビームの振れ,あるいは,検出器の感度ムラと回転機構に付随する機械的変動や光路中のビームの蹴られなどが結合した原因である.一方,回転周波数の2倍の成分の場合は,検出器の偏光特性などの偏光特性が関与した誤差と判断できる.また,位相子の吸収二色性や位相角を装置に搭載したままで計測する方法も開発できた. これらと独立な系統誤差要素として,試料の裏面反射の処理に付随する誤差と,試料薄膜の屈折率の厚さ方向の変化(不均一)の影響が明らかにできた.裏面反射については,波長の関数として周期的に起こる完全直線偏光反射の条件に着目し,残留する楕円率が誤差に比例することを利用して校正できた.また,不均一は,この条件で反射される完全直線偏光の方位角と,膜のない基板だけの試料での方位角との差で定量的に校正できる.
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