1997 Fiscal Year Annual Research Report
ピルボックス共振器型多チャンネル波長選択光フィルタ
Project/Area Number |
09650052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
和田 修己 岡山大学, 工学部, 助教授 (10210973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 隆治 岡山大学, 工学部, 教授 (20027147)
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Keywords | 光共振器 / 光周波数多重 / ピルボックス共振器 / 光導波路 / 光変調器 / 光フィルタ / 波長選択 |
Research Abstract |
本研究の目的は、研究代表者らが提案した波長選択光フィルタ(「ピルボックス型光共振器の波長選択フィルタ」特許第2713358号,1997年10月31日)の原理実証および特性評価である。この光フィルタは、光周波数多重伝送方式において、複数の波長の光波を分波または合波するために使用される。電気光学効果を持つ誘電体基板上の円盤形ピルボックス光共振器とこれに結合した入出力導波路により構成して、狭い波長間隔の光波選択特性を実現し、さらにこの一部に電極を設けて共振波長を連続的に可変としている。共振器外周に沿った曲がり導波路を入出力に採用し、また波長可変とすることにより、フィルタの設計を容易にしている。 本年度は、光フィルタ試作のための導波路作製プロセスの検討と、フィルタ構造の最適設計および電極による共振波長制御の特性解析を行なった。導波路プロセスについては、ネガ型フォトレジストのパタ-ニング工程について検討し最適露光および現像時間を決定したが、現在導波路の作製中で特性評価には至っていない。特性解析では、1.55μm帯においてグレーデッド屈折率分布のピルボックスについて解析し、従来のステップ型と同様の特性が得られることを確認した。また共振波長制御は、導波路と電極の寸法を最適化して、FSRが104GHz、透過帯域幅2.4GHzの場合に、変調電圧11Vで800MHz以上の周波数で20dB以上の消光比が得られることを示した。これは、本フィルタが単なる波長選択のみでなく、高速スイッチングが可能な波長選択光変調器として使用できることであり、応用が大きく広がった。さらにチャンネル間隔10GHzにおいてクロストーク-20dBの解析結果を得た。来年度は、フィルタの試作と特性評価を継続し、波長選択実験を行う予定である。
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