1998 Fiscal Year Annual Research Report
干渉分光データのウェーブレット解析による半導体トレンチ形状測定
Project/Area Number |
09650055
|
Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
白崎 博公 玉川大学, 工学部, 助教授 (30154371)
|
Keywords | トレンチ / 干渉分光法 / ウェーブレット / 半導体 / 光測定 / 非破壊検査 |
Research Abstract |
半導体トレンチを誘電体の2次元溝と仮定し、昨年度導入したDEC Alphaコンピュータも用いて、大容量メモリと演算スピードを要求される境界要素法シミュレーションにより、誘電体トレンチからの干渉分光強度データを求めた。そして、数式処理ソフト付属のFFTとウェーブレット解析ツールを用いて、トレンチ形状の光波による測定限界を調べた。本年度はさらに、現実に近い3次元トレンチの数値解析を始めた。具体的な研究内容は以下に示す通りである。 ・誘電体の2次元溝に、ガウスビームを照射した際の干渉分光強度データを境界要素法を用いて求め、FFT処理により深さ測定を行った。誘電体の場合には、金属と違って光は基盤中にも浸透するため、溝幅が遮断波長に近付くと溝中からの反射光が少なくなり、表面からの反射光に埋もれて深さ測定が困難になる事が分かった。しかし、観測角度を正面より変化させることにより、溝中からの信号が顕著に見えてくることが分かった。これにより、誘電体の場合も金属の場合と同様に、溝方向に電界成分を持つE偏光では遮断の影響を受け10%ほど深く測定され、磁界成分を持つH偏光では遮断の影響を受けず正確に深さ測定出来ることが分かった。 ・数式処理ソフトMATLABのWavelet Toolboxを用いて、干渉分光強度データにウェーブレット処理を施し、深さ測定解析を行った。これより、周波数領域と時間領域の情報が同時に得られた。 ・3次元境界要素法(BEM)と3次元時間領域差分法(FDTD法)の二つの手法により、直方体状の金属トレンチに3次元ガウスビームを照射したときの散乱特性を得ることが出来た。これより、深さと開口面の大きさを変えで、干渉分光データを得ることが出来るようになった。
|
-
[Publications] 白崎博公: "干渉分光データの信号処理による誘電体トレンチ深さ測定" 1998年秋季第59回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. 3. 16p-ZC-4 (1998)
-
[Publications] 白崎博公: "n乗コサインテーパ形マイクロストリップ線路の導波管モデル解析と設計チャート" 1998年電子情報通信学会エレクトロニクスソサイアティ大会講演論. 1. C-2-59 (1998)
-
[Publications] 白崎博公: "干渉分光データのFFT処理による誘電体トレンチ深さ測定シミュレーション" 電子情報通信学会技術研究報告. OPE98-145 (1999)
-
[Publications] 白崎博公: "KlopfensteinおよびHeckenテーパ形マイクロストリップ線路の導波管モデルによる階段近似解析" 電子情報通信学会技術研究報告. MW98-194 (1999)
-
[Publications] 白崎博公: "KlopfensteinおよびHecken形マイクロストリップ線路テーパの導波管モデルによる階段近似解析" 電子情報通信学会1998年総合全国大会講演論文集エレクトロニクス. 1. C-2-77 (1999)
-
[Publications] 白崎博公: "干渉分光データのFFT処理による誘電体トレンチ深さ測定" 1999年春季第46回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. 3. 28p-T-6 (1999)
-
[Publications] 白崎博公: "干渉分光データの信号処理による誘電体トレンチ深さ測定シミュレーション" 玉川大学工学部紀要. 34 (印刷中). (1999)