1998 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリオロドプシンと表面プラズモン共鳴を用いた非線形光学素子とその応用
Project/Area Number |
09650059
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research (RIKEN) |
Principal Investigator |
岡本 隆之 理化学研究所, 光工学研究室, 先任研究員 (40185476)
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Keywords | 非線形光学 / 表面プラズモン共鳴 / バクテリオロドプシン / 光導波路 / 色素 / 光双安定 / 金コロイド / ビーム伝搬法 |
Research Abstract |
高屈折率プリズム上に銀薄膜を蒸着し、その上に遠心分離器により薄膜状にしたバクテリオロドプシンを堆積した表面プラズモン共鳴を利用した非線形光学素子を作製した。本素子で入射光強度が大きくなるにつれ、共鳴角が低角度側にシフトすることが確認できたが、その強度依存性は非常に小さかった。さらに、バクテリオロドプシン膜が時間とともに収縮し、銀薄膜からはがれてしまうため、安定な状態では実験できなかった。これらの点を解決するために、色素ドープ高分子膜を用いた単一プリズム型導波路素子を作製した。この素子は、表面プラズモン共鳴と同様に、ある入射角で共鳴を起こし、反射率が急激に減衰する。このとき、導波路内の電場は入射電場に比べて、非常に大きくなり、増強効果は表面プラズモン共鳴におけるそれ以上になる。実験では、Bis(4-dinlethylanlino-dithiobenzil)nickelをドープしたPMMAを導波路層とした素子を試作し、アルゴンイオンレーザーを用いて共鳴角の強度依存性を測定した。その結果、数mW程度の入射光パワーで、共鳴角が変化し、また、数10mW程度のパワーで、光双安定性が確認できた。しかしながら、これらの非線形光学効果は主として光吸収による熱に起因するため、導波路層がすぐに変質してしまうという問題が残った。この問題を解決する1つの方法として、現在、導波路表面に金コロイド単層膜を化学的に堆積することを試みている。なぜなら、計算の結果、コロイド-導波路界面における電場強度が非常に大きく増強されることが分かったためである。この他に、バクテリオロドプシン膜における複数の光波の伝搬や回折をビーム伝搬法により計算するプログラムの開発を行い、実験とよく一致する解が得られることを確認した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Okamoto: "Real-time enhancement of defects in periodic patterns using photoinduced anisotropy of a bacteriorhodopsin film" Jpn.J.Appl.Phys.36・8A. L1012-L1014 (1997)
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[Publications] T.Okamoto: "Numerical analysis of real-time holography in bacteriorhodopsin films" Opt.Eng.38・1. 157-163 (1999)
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[Publications] T.Okamoto: "Field enhancement by a metallic sphere on dielectric substrates" Opt.Rev.6・4(発表予定). (1999)
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[Publications] 岡本隆之(分担執筆): "速解光サイエンス辞典" オプトロニクス社, 352 (1998)