1998 Fiscal Year Annual Research Report
2次元位置有感検出器による広帯域・高検出効率・高分解能蛍光X線分析法
Project/Area Number |
09650072
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
溝川 辰巳 長岡工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教授 (20229719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 義郎 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (60176378)
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Keywords | 位置有感検出器 / マルチワイヤ比例計数管 / X線 / 結晶分光器 |
Research Abstract |
本研究の目的は、独自の位置読み出し方式による2次元位置有感検出器を用い、高い検出効率・広い波長分析範囲、高いエネルギー分解能を同時に実現するX線結晶分光器の新方式を開発し、その特性の解明と最適設計法の確立を行う事である。以下、今年度の柱に沿って報告する。 (1) 2次元位置有感マルチワイヤ比例計数管の最適化。まず、荷重結合容量バックギャモン法に基づく位置読み出しカソードのパターン諸元と位置分解能等の性能の関係については、これまで製作したいくつかのパターンに対し、容量結合網モデルに基づく予測が良く当てはまる事が明らかとなった。これでこの方法の最適設計法は確立したと言える。しかしながら、(1)回路系に要求される温度ドリフトなどの安定性・精度が限界に近く、容易に本来の性能を引き出せるとは言えない事、(2)高い計数率には耐えられない事(〜数10kcpsまで)、などの限界も明らかになった。これらを改善するために、新しい位置エンコーディング法についての検討も現在進めている。 (2) 平板結晶+2次元検出器形式の特性についての実験的検討。昨年度製作した分光器システムを用い、結晶の表面処理と分解能、反射強度の関係などを系統的に調べるために、Si(111)、Ge(111)及びグラファイトなどの結晶を用いて実験をおこなった。長時間の測定における線源(SEM試料からの特性X線を使用)の安定性に問題が有り、十分に再現性のあるデータを得るために現在さらに実験を進めているところである。 (3) ヨハン型結晶+2次元検出器という形式の可能性について、来年度の課題として検討と準備をおこなった。
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