1997 Fiscal Year Annual Research Report
ランダム構造体モデルによる球状粒子焼結体のマクロ特性のメゾ解析と実験
Project/Area Number |
09650085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
倉茂 道夫 岩手大学, 工学部, 教授 (20005416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 和郎 岩手大学, 工学部, 助手 (70113850)
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Keywords | 球状粒子 / 焼結 / シミュレーション / ランダムパッキング / 周期的境界条件 / 有限要素法 / 有効弾性係数 / 有効熱伝導率 |
Research Abstract |
本研究は、球状粒子焼結体のメゾスケール構造のシミュレーションとマクロ特性実験、および多孔構造のジーナス数の数値的評価の3つの部分から成り立っている。 平成9年度は、主に、シミュレーション・コードの開発・改良とその実行、ジーナス統計に基づく多孔構造の定量的評価法の検討、および、試料の製作と予備実験を行った。 具体的には、(A)準静的落下モデルに基ずく球状粒子の運動方程式を解くことにより、コンピュータ内にランダムパッキングの構造モデルを構築した。ランダムパッキングの構造モデルの構築に当たり、容器壁面の影響を取り除くため周期的境界条件を採用し、さらに、容器底面尾影響を取り除くため乱数により底面の位置を上下した。容器の寸法と球状粒子の直径の比が12程度で十分なランダムパッキングが得られることを確認した。(B)非軸対象荷重及び軸対象荷重を受ける軸対称物体の有限要素解析コードの開発と、それによる粒子ペアのバネ定数と熱抵抗係数の評価を行った。解析コードに未だ若干のバグが残っているが、近日中には完成の予定。(C)3次元不規則構造物の構造解析によるマクロ特性(有効弾性係数や有効熱伝導率)の評価を試みた。前記(B)のバグのため、最終的結果は得られていない。(D)コンピュータ内に出来上がった球状粒子多孔構造の統計幾何学的特性を評価した。研究計画になかった容器の大きさの影響に関し、新しい発見をすることができた。すなわち、有限の大きさの容器に等径球を充填した場合、その空隙率は容器の代表寸法と粒子直径の比に対し、2つのピークを持つことである。さらに、位相幾何学的なパラメータであるジーナスの評価法の確立とそれに基ずく定量的評価を、規則充填体体およびランダム充填体に対し行った。その結果、空隙が媒質中に分散している構造とネットワーク状に連結している構想とをジーナスにより分類できることが明らかになった。
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