1998 Fiscal Year Annual Research Report
形状記憶合金を用いた三次元位置決め制御材料システムの構築
Project/Area Number |
09650098
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
徳田 正孝 三重大学, 工学部, 教授 (90023233)
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Keywords | 形状記憶合金 / バイアス型三次元アクチュエータ / 復合負荷 / モデリング / 構成方程式 / メゾメカンカル手法 / 人工筋肉 / スマート構造 |
Research Abstract |
本研究の目的は、形状記憶合金の擬弾性熱力学的現象において、複合負荷をバイアスとして用いる事により、複雑な任意の3次元位置決め制御材料システムの開発を試みることである。この制御システムは、形状記憶合金の特性上、その応答速度には期待できないが、例えば地球/地域環境監視・管理、1日あるいは1年の大気温度や海洋温度変化などに対応した、極めタフで安定、さらに高精度なロボット・制御システムなどに大きな役割を果たす可能性があると考える。この開発研究において最も重要な視点は、7つのパラメータ(一つは温度、他の6つは応力テンソルの独立成分)により制御される形状記憶合金の構成方程式の形式化である。すなわち、所望の動きを与え得る3次元位置決め制御材料システムを設計するためには、基本要素材料となる形状記憶合金の精度の高い複合(多軸)負荷条件下における構成方程式が不可欠となる。このため、とくに工業用形状記憶合金材料が多結晶構造をしている事を踏まえて、本研究初年度から、その特性を適切に取り入れる事のできるいわゆるメゾ力学的手法を採用し、形状記憶合金の複雑な挙動を予測しうる構成方程式の構築を進め、ある一定の成果を得た。これを受けて本年度(平成10年度)では、この構成方程式の精度/信頼性を確認するための実験、また用いられた仮定を確認するための微視的組織観察/解析を行った。これらの結果の詳細は、国際会議、あるいは論文などの形で広く公表した。さらに、具体的な位置決めパイロットシステムの基本設計を試みた。この基本設計の第一歩としては、一端固定の形状記憶合金製円筒の他端に比較的長いバーを取り付け、このバーの端の位置、および発生力を制御す事を考えた。ここでは、軸力とねじりの比較的小さなバイアス力を用い、このバイアス力と温度を制御することによりバーの端点の位置を予め決められた経路に沿って最終位置にたどり着かせる。このような形状記憶合金を用いた基本パイロットシステムの実現/実証に対しては、現時点では公表の段階には至っていないが近い将来、公表できるレベルまで達成できると考えている。
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[Publications] M.Tokuda,P.Sittner,M.Haze,M.Ye,B.Bundara: "Some Unique Behavior of SMA under Complex Loading Conditions" Proceedings of the Fourth International Conference on Intelligent Materials. 90-91 (1998)
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[Publications] M.Tokuda,M.Ye,M.Takakura,P.Sittner: "Calculation of Mechanical Behaviors of Shape Memory Alloy under Multi-axial Loading Conditions" International Journal of Mechanical Sciences. 40・2〜3. 227-235 (1998)
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[Publications] M.Tokuda,M.Ye,M.Takakura,P.Sittner: "A Set of Constitutive Equations of Polycrystalline Shape Memory Alloy under Multi-axial Loading Conditions" Proceedings of IUTAM Symposium on Micro-and Macrosteuctual Aspect of Thermoplasticity. 383-394 (1999)
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[Publications] M.Ye,M.Tokuda,P.Sittner,B.Bundara: "Deformation Behavior of Shape Memory Alloy under Complex Loading Conditions(modelling and constitutive relations)" Advances Materials-4,Proceedings ot the Special Symposium on Advanced Materials,Nagoya. 417-420 (1998)
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[Publications] 徳田正孝: "メゾ塑性力学への期待" 塑性と加工(日本塑性加工学会誌). 39-450. 640-644 (1998)
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[Publications] 土師学,徳田正孝,P.Sittner,叶萌,B.Bundara: "複合負荷条件下の形状記憶合金-実験" 日本機械学会第76期総会講演会・論演論文集. 98-3・1. 239-240 (1998)