1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650099
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 欽也 京都大学, 工学研究科, 助手 (00026220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 文子 京都大学, 工学部, 教務職員 (80162907)
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Keywords | β型チタン合金時効材 / 応力-ひずみ関係 / 引張り型ホプキンソン棒法 / 伸び / 温度,ひずみ速度依存性 / 高ひずみ速度 |
Research Abstract |
温度723K、6時間の時効処理を行ったβチタン合金15-3-3-3時効材の引張り試験を実施するにあたって、まず、試験片の平行部長、肩部曲率半径が応力-ひずみ関係、特に破断挙動に及ぼす影響を調べる試験を最も厳しい条件である低温(77K)にて行った。その結果、直径3mm、平行部長さ5mm、肩部曲率半径1mmの試験片において、破断が平行部でおこり、良好な試験結果が得られることを確認した。次に、この試験片を用いて温度、77K〜673K、ひずみ速度10@@S1-4@@E1/secから10@@S13@@E1/sec(引張り型スプリットホプキンソン棒法利用)での引張り試験を実施し、応力-ひずみ関係を求めるとともに、強度の温度、およびひずみ速度依存性を調べた。 得られた結果を纏めると、まず、局所変形が生じるまでの一様伸び変形での強度の温度ひずみ速度依存性は熱活性過程によって変形が支配されているとして良く理解でき、その際の熱活性化パラメータはすでに報告した圧縮試験結果での値とほぼ同様であった。また、塑性仕事が熱に変換されることによって生じる温度上昇が応力-ひずみ関係に及ぼす影響を調べるため、一定ひずみ速度試験とひずみ速度急変化試験を行い、強度のひずみ速度依存性を比較した。その結果、このような変形中の温度上昇の効果は、ひずみ速度10@@S1-2@@E1/s程度においても現れ、ひずみ速度10@@S1-4@@E1/s以下の変形において始めて等温変形と見做せることが明らかになった。このことを踏まえると、高速変形時の応力-ひずみ関係は塑性変形に伴う変形中の断熱的な温度上昇の効果と歪み速度の変化を考慮して静的な応力ひずみ関係より予測できることが確認できた。また、一様伸びは温度、ひずみ速度に殆ど依存しないが、全伸びは温度の上昇によって増加するとともに、ひずみ速度の増加によっても顕著に増加することが明らかになった。このような局所変形の生じた以後の変形については更に詳細な検討を行う予定である。
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