1997 Fiscal Year Annual Research Report
積分ペナルティ法とALE制御に基づく凝固解析における自由表面の性状予測と検証
Project/Area Number |
09650100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今谷 勝次 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (70191898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 三佳 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (70293925)
井上 達雄 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (10025950)
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Keywords | 溶接 / 凝固 / 数値解析 / 積分ペナルティ法 / ステファン問題 / 有限要素法 |
Research Abstract |
金属の相変化のなかで特に凝固・溶融現象を取り上げ,溶接プロセスを例題としてその過程を理論的・解析的に記述することを目的として,まず当該年度では,1.基礎理論の構築,2.数値解析のための基本的なアルゴリズムの検討,3.溶接実験による自由表面性状の同定,を主な課題として以下の結果を得た. 1.基本理論の構築・・・凝固・溶融現象をステファン問題としてとらえ,各相の支配方程式と凝固界面(自由境界)での熱流の条件(ステファンの条件)を,物質座標系,空間座標系でそれぞれ定式化した.次年度ではALEに基づく表記を行ない,力学的な自由表面の記述に適用できると考えている。 2.基本的なアルゴリズム・・・得られた基礎式を積分ペナルティ法を用いて離散化解析(差分法,有限要素法)を試みた.その結果,簡単な1次元問題では厳密解によく一致することが確かめられた.現在,2次元解析でのコードがほぼ完成しており,それを用いて非定常凝固解析を試みている. 3.溶接実験による自由表面の検証・・・プラズマ溶接機を用いてSUS304ステンレス鋼円盤中央を溶融・凝固させ,そのプロセスの温度履歴を計測するとともに,溶接終了後の組織観察と硬さ分布から溶融部・熱影響部の把握を試みた結果,AC1変態を越えた熱影響部で明確な組織変化と硬さの変化を確認した.これらの結果を用いて自由境界の同定が可能であることが確かめられた. 以上の成果に基づいて,次年度では力学的な熱・流動解析を行ない,自由表面の性状の評価と熱影響部の特性予測を試みる予定である.
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