1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
長岐 滋 岡山大学, 工学部, 助教授 (30135959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 一郎 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (10263625)
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Keywords | 損傷 / 弾塑性構成式 / ボロノイ多面体 / 非局所性 / ボイド |
Research Abstract |
金属材料の延性破壊の力学的解析はいまだ十分でない部分が多い.延性破壊過程で重要な役割を果たす微視的空孔(void)に関して,その発生から成長の過程,ならびに空間的な分布形態を塑性構成関係に反映することが重要だと考えられる.このため,空孔の相互間系を直接的に考成した非局所性を有する構成関係を損傷力学的な考察から確立するとともに,2次元ないし3次元的なモデル試験片を作成し,実験的に非局所性構成関係モデルの有効性を確認することが本研究の目的であり,本年度は以下の研究を行った. 1.実在材料中の様々な微視空孔が複雑に分布する状況を,楕円体空孔が規則的,ないし不規則に分布する2次弾塑性モデルを用いて理想化する.この理想材料のモデルに対してすでに申鮪者らが提案している異方性Gursonの降伏関数を用いて空孔を有する材料の塑性異方性について調べた.特に,初期に円形であった空孔形状が変形とともに楕円状に変化し,かつその主軸が回転していく場合について,損傷テンソルの具体的な形を求めることができた. 2.母相がミゼス材でできた理想材料中の楕円体空孔を1つ含む単位セルを取り上げ,その弾塑性挙動を3次元的に有限要素法で調べ,その挙動を異方性Gursonの降伏関数で記述することを試みた.楕円体形状の向きによる異方性の変化が,提案した手法で適切に表されることを確認した. 3.有限要素法の実験に平行して,理想材料のモデル試験片を作成し,その塑性変形と延性破壊挙動を実験的に調べた.具体的には2次元的なモデル,すなわち平板に多くの円孔をあけた試験片を作成し引張り試験を行った.配列形態,穴の直径などを様々に変化させて変形挙動の差異を調べ,提唱したモデルの妥当性を検討した.
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