1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650103
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture & Technology |
Principal Investigator |
長岐 滋 東京農工大学, 工学部, 教授 (30135959)
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Keywords | 損傷力学 / 構成式 / 損傷テンソル / ボロノイ多面体 / 多孔質体 / 多孔平板 |
Research Abstract |
本研究では,微視的な空孔の空間的分布形態を定量的に取扱う手法として,ボロノイ多角形を利用して損傷テンソルを導出し,多孔質体の塑性変形挙動の解析に応用して,その有効性を理論,実験の両面から検討してきた.本年度には,主に3次元的に空孔が分布する場合について,有限要素法によるモデル計算によって巨視的な異方性降伏関数について検討し,楕円体空孔が規則的配列のする場合について,楕円体の形状が変化することによる塑性異方性の発現に関して定量的な記述が可能になった.今後は,さらに変形の進行に伴う空孔の形状変化等を構成式の中に含め,弾塑性構成関係全体としてまとめていく必要がある. 一方,前年度までの研究により,2次元モデルによる実験から,空孔分布が不規則になるにつれ巨視的な塑性変形挙動が等方的になり,空孔の局所的な分布が破断形態に強く影響を与えることも明らかになっている.そこで非局所性を考慮して損傷テンソルを定義する手法を提案し,異方性降伏関数に損傷テンソルを導入した場合の塑性理論としての適合性について検討した.また数百個の空孔を有する平板モデルの大規模有限要素弾塑性解析により,提案した損傷テンソルの局所的分布形態と,応力集中領域がよく対応することが明らかになり,本手法の妥当性を確認した. また実際に3次元的なモデルについて実験的な検証を行う準備として,前年度に引き続き3次元的な空孔の幾何学的配置方法やそのコンピュータグラフィックスを用いた表示についてのソフトウェアの開発を行った.平行して試験片の作成方法の検討,空孔の検出方法の検討等を行った.
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