1998 Fiscal Year Annual Research Report
鉄基形状記憶合金の変態/変形挙動に関する統一理論の確立
Project/Area Number |
09650112
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 喜久昭 東京都立科学技術大学, 工学部, 教授 (80081256)
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Keywords | 鉄基形状記憶合金 / 統一理論 / 変態条件 / 熱・力学的負荷 / 変態曲面 / マルテンサイト変態 / 背応力 / ひずみ回復 |
Research Abstract |
εマルテンサイト変態およびその逆変態の開始と進行を規定する条件として,変態条件をその適合条件を導入した.変態条件は,熱力学的一般化力と内部変数に依存する.変態条件を熱・力学的拘束条件と考えて,消散不等式の条件付き極値問題を解くことによって,内部変数に関する発展式を導いた.熱力学第二法則より求まる可逆過程に関する速度型構成式とこの発展式が求める構成式系である.導入した変態条件は,金属学で議論される変態駆動力と等価であることが証明された.また,変態条件に対応して,“移動硬化"と“等方硬化"の概念が存在することを理論的に説明できた. 鉄基形状記憶合金の円管試験片を用いて引張/圧縮ーねじり試験を実行し,マルテンサイト変態開始探件(曲面)と逆変態開始/終了条件を,応力ー温度空間における曲面として決定した.マルテンサイト変態局面は,せん断応力軸に対して非対称であり,塑性論におけるvon Mises理論では記述できなことがわかった.応力負荷方向の効果を導入するためには,応力の第3不変量を考慮しなければならない.マルテンサイト変態開始条件は,応カー温度空間における卵形錐面として表現できることがわかった.逆変態面は,応カー温度空間における平面として表されることがわかった.逆変態平面の方向は発生するマルテンサイトバリアントの種類に依存し,その位置は発生するマルテンサイト相の量によって決まる.マルテンサイト相の量が変化すると,逆変態平面が温度軸方向に平行移動することと確認した.予負荷中に複数のバリアントが発生する場合には,逆変態面は多角形錐面となることが明らかになった.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] F.Nishimura, N.Watanabe and K.Tanaka: "Back stress and shape recoverability during reverse transformation in an Fe-based shape memory alloy" Materials Sciences & Engineering A. 247. 275-284 (1998)
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[Publications] K.Tanaka and F.Nishimura: "Thermomechanical behavior of an Fe-based shape memory alloy:Thransformation conditions and hystereses" Metals and Materials. 4. 554-561 (1998)
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[Publications] F.Nishimura, N.Watanabe, T.Watanabe, and K.Tanaka: "Transformation conditions in an Fe-based shape memory alloy under tensile-torsional loads" Materials Sciences & Engineering A. 264. 232-244 (1999)
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[Publications] K.Tanaka, F.D.Fischer and E.R.Oberaigner: "Unified constitutive equations for phase transformation and thermoplasticity" IUTAM Symp. Micro-and Macrostructural Aspects of Thermoplasticity. 295-306 (1999)
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[Publications] F.Nishimura, N.Watanabe and K.Tanaka: "Evolution of martensite start condition in general thermomechanical loads of an Fe-based shape memory alloy" Int.J.Mechanical Sciences. in press. (1999)