1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
黒川 知明 摂南大学, 工学部, 教授 (80127076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井田 豊 同志社大学, 工学部, 教授 (20066260)
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Keywords | 衝撃 / 座屈 / 円管の軸対称変形 / 緩衝材 / 地震による破損 |
Research Abstract |
(1)円管の軸対称塑性座屈過程の解明 塑性大変形を計算できる有限要素法数値計算により幾つかの条件で円管の軸対称崩壊過程のシミュレーションを行うとともに、一方でアルミ円管を用いた衝撃座屈実験を行い数値計算と比較することにより数値計算が崩壊過程をよくシミュレートすることを確認した。次にこのブログラムを用いて、種々の条件を変えた円管の軸対称崩壊過程のパラメトリックスタディを行い、座屈時のピーク荷重、崩壊時の平均荷重、エネルギ吸収能など円管をエネルギ吸収材として用いる際有用な力学的特性値を円管の材料特性、幾何学的寸法比、衝撃条件などの広い範囲に亘り明らかにした。 (2)阪神大震災における道路鋼管支柱の破損原因の解明 阪神大震災の土木構造物の被害の中で道路鋼管支柱が軸対称座屈した例が幾つかみられた。この原因については、幾つかの見解が出され議論されているところであるが、土木技術者の間では縦揺れよりむしろ横揺れにより生じたとする見解が大勢を占めている。その理由は縦揺れ加速度により生じる軸応力は降伏応力に達しないからというものである。しかしその際の軸応力の計算には多くの場合支柱を剛体とみなすモデルを用いているものと推定される。本研究ではまず、実鋼管支柱と同材質でかつ幾何学的寸法比の等しい鋼管を用いてモデル座屈実験を行い座屈応力を明らかにした。一方、鋼管支柱も弾性を有することからばねと考え、上部構造を質点とした「ばね-質点」モデルにより解析することにより支柱軸応力の最大値は縦揺れにより座屈応力近くまで達することを明らかにした。これは縦揺れにより破損が発生する可能性があることを示唆するもので土木建築設計基準に重要な指針を与える
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