1997 Fiscal Year Annual Research Report
高速流体利用の非接触研磨法による曲面形状の高精度・高能率加工
Project/Area Number |
09650126
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 浩文 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20282098)
|
Keywords | 高速流体研磨法 / 非接触研磨 / 高精度・高能率加工 / 遊離砥粒 / 複合加工 / コロイダルシリカ / 光学ガラスの鏡面研磨 |
Research Abstract |
近年,オプト・エレクトロニクスの著しい発展に伴い,レンズやミラーなど光学部品の需要が急増している.一般に光学部品は研削加工で形状を創成した後,別工程で研磨加工による鏡面加工を行う必要があり,工作物の取付けや工具の位置決めなどの非加工時間の短縮をはかるには,加工プロセスの連続性が重要である.そこで本研究では,微粒のレジンボンドダイヤモンド砥石を用いて通常の研削加工を行った後,砥石を後退させて加工面とのすき間δを設け,加工点に研磨液を高速で衝突させて最終仕上げを行い,工具と加工面とは非接触状態にあり,遊離砥粒だけで鏡面加工が行う方法(高速流体研磨法)を提案した. 本研究では,はじめに研削加工後に工具と工作物を取り外すことなく,同じ機械上でポストプロセスで工具と工作物のギャップに極微粒の研磨粒子を高速で流入させて研削面を非接触で研磨加工する加工システムを開発した.次に,粘性流体に対するナビアストークスの方程式を用いて,加工のモデル化を行い,加工速度に影響を与える加工液の挙動の理論的に解析し,加工メカニズムを解明した.加工実験では,工具(砥石)に微粒のレジンボンド・ダイヤモンド砥石を使用し,研磨液にコロイダル・シリカ(SiO_2)を用いて,平面形状の光学ガラスの鏡面加工の検討を行った.その結果,砥石と工作物の加工臨界ギャップ長は7μmであり,加工液の粘性が高いほど加工精度が高く,また,工具を直交する方向に交互に走査した方が加工精度が良好であることが明らかとなった.この場合,約3.3nmRmaxの超平滑な加工面が得られ,本方法の実用の可能性が実証された.
|