1997 Fiscal Year Annual Research Report
摩擦力顕微鏡一体型加工評価装置の試作と極微小加工のメカニズムに関する研究
Project/Area Number |
09650128
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森田 昇 千葉大学, 工学部, 助教授 (30239660)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 嘉太郎 千葉大学, 工学部, 教授 (80174960)
|
Keywords | 原子間力顕微鏡 / 微細加工 / 加工機構 / 摩擦力顕微鏡 / 水平分力 / 垂直分力 |
Research Abstract |
本研究では,極微小加工における物理化学作用を本質的に理解することを目的として,微小領域での力学情報の観測が可能なツールとして摩擦力顕微鏡に着目し,本来の表面評価機能に加えて極微小加工機能を重視した摩擦力顕微鏡一体型加工評価システムを新たに試作・構築した.具体的な成果は以下の通りである. 1.極微小加工の機能を具備し,かつ加工面評価が可能な摩擦力顕微鏡一体型加工評価装置を設計・試作した.主要な開発項目を以下に示す. (1)加工時の大きな接触力に耐えうる高剛性の加工用探針を開発した.これには単結晶シリコンの異法性エッチングを応用し,従来の観察用カンチレバ-の1000倍程度の剛性を持たせること成功した. (2)垂直分力に加えて水平分力を検出するための4分割フォトセンサを用いた光てこ方式の変位検出機構を導入し,加工分力の測定を可能にした. (3)化学的効果を考慮した液中実験ができる顕微鏡構造を構築した. (4)加工用カンチレバ-と観察用カンチレバ-の交換機構を新たに導入し,高精度のAFM観察を実現した. 2.上記の開発要素を満足した摩擦力顕微鏡一体型加工評価装置の基本性能を評価するとともに問題点を抽出し,解決した. 3.開発した摩擦力顕微鏡一体型加工評価装置を用い,単結晶シリコン,ガラスならびに各種金属の加工評価実験を行い,目的を達するに十分な加工性能と観察性能を具備していることを確認した. 次年度は,被加工材料の結晶方位や加工雰囲気等をパラメータとした極微小加工実験を行い,得られた力学情報と画像情報から極微小加工にまつわる物理化学的諸現象を理解するための基礎データを取得・分析し,極微小加工のメカニズムを解明していく.
|