1997 Fiscal Year Annual Research Report
イオンビームミキシング法を用いたC-N系超硬質膜コーティングによる生体材料の開発
Project/Area Number |
09650136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松室 昭仁 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80173889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 剛 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30198262)
森 敏彦 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90023340)
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Keywords | C-N系薄膜 / 生体材料 / ダイナミックイオンミキシング / トライボロジー特性 |
Research Abstract |
本研究はダイナミックイオンミキシング法により新たな超硬質材料として期待されているC-N系材料を人工関節等の生体適合材料に応用することを目的に膜の形成条件および摩擦摩耗特性をはじめとする機械的性質について検討したものである.本年度得られた結果は以下の通りである. (1)TiN配向膜を中間屑とする形成を試みるために,TiN(100),(111)配向制御を試みた.蒸着速度を0.2nm/sから1.2nm/sに変化させることにより強い(100)配向から(111)配向に制御することができた. (2)加速エネルギ100eV,C/N輸送比=1でTiN膜上に形成されたC-N膜では硬度は上昇し,TiN(111)上では,17GPa,(100)上では20GPaに達した.透過型電子顕微鏡観察から構造はアモルファスであるが,基板に垂直に成長した層状構造が観測された. (3)大気中および真空中(1.3x10^<-4>Pa)でSiCおよび炭素鋼球を用いてピンオンディスク式の摩擦試験によりトライボロシ-特性を評価した.TiN膜上に形成されたC-N膜の摩擦係数はいずれの条件でも0.2-0.25で低摩擦係数であった.また,Si基板に形成されたものと比較すると耐摩耗性に優れていた.これはC-N膜とTiN基板との高密着性に由来するものと結論され,有効性が示された.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Kohzaki: "Preparation of carbon nitride thin films by ion beam assisted deposition and their mechanical properties" Thin Solid Films. 308-309. 239-244 (1997)
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[Publications] 松室昭仁: "ダイナミックイオンミキシング法によるTi-N系薄膜の形成とその機械的性質" 日本機械学会論文集. 64-618(印刷中). (1998)