1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山根 八洲男 広島大学, 工学部, 教授 (70140564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳴瀧 則彦 広島大学, 工学部, 教授 (10026081)
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Keywords | cBN工具 / 鋳鉄 / 介在物 / 超高速切削 |
Research Abstract |
本研究ではcBN工具を用いて鋳鉄を超高速切削した時の工具の摩耗面への介在物の付着機構を解明し,鋳鉄中の非金属介在物の制御により現状よりも高い切削速度域での加工の可能性を探ることを目的とし,現在市販されているバインダの種類やcBN含有量あるいはcBN粒子の大きさの異なる各種cBN工具を用いて,非金属介在物(主としてAl203)の含有量が異なる数種類の鋳鉄を高速正面フライス切削し,工具摩耗,切削抵抗,切削温度等を調べた結果,現在までに以下のことが明らかとなった. 1.鋳鉄中のAl203含有量を増加させるとcBN工具による高速切削でAl,Si,Mnを主体とする酸化物系の保護膜(ベラ-グ)が工具摩耗面(すくい面および逃げ面)に付着し,工具摩耗を抑制する. 2.保護膜の付着効果が最も高い速度域は1500〜2500m/minであるが,鋳鉄中のAl203含有量が増加するほどこの速度域は高くなる傾向を示し,現在のところ4500m/minまで効果が確認できた.なお,4500m/minと言う切削速度は現有の工作機械の性能上から制限を受けた値であり,これ以上の切削速度でも摩耗制御効果が期待できる可能性がある. 3.保護膜の生成はcBN工具のバインダの種類にも影響を受け,TiCを主体とするセラミックバインダのcBN工具で最も顕著な生成傾向を示す.これは,TiCが酸化物と反応しやすいためと考えられる. 4.同様の実験を窒化珪素工具(Si3N4系工具)を用いて行ったが,窒化珪素工具では切削速度の増加につれて工具摩耗が増大し,2500m/minをこえると摩耗が急増することがわかった. なお,現在途中経過を取りまとめ中であり,平成10年秋に公表予定である.
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