1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650143
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
諸貫 信行 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90166463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 賢治 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90281691)
角田 陽 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60224359)
古川 勇二 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10087190)
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Keywords | 高精度加工 / エッチング / シリコン / 形状精度 / 直角度 / 結晶面 |
Research Abstract |
機械加工の高能率性と,結晶の規則性を利用した異方性エッチングの高精度特性を兼ね備えた加工方法の確立を目指し,以下の研究を進めた. (1)エッチング形状精度の評価 シリコンの異方性エッチングは仕上がり形状が(111)結晶面のみで構成されることから高精度加工が期待できるものの,これまで精度的な評価はあまりなされていなかった.そこで(100)ウェハに円形マスクと矩形マスクを製作し,仕上がり形状の直角度や平行度等を調べた.角度測定には万能測定顕微鏡(分解能0.017度)を用いた.その結果,円形マスクでは理想的に(111)面から成るピラミッド形状ができ,精度の高い直角が得られることがわかった.しかし,多用される矩形パターンではマスクと基板のアライメント誤差が仕上がり形状精度に大きく影響し,0.4度程度の直角度誤差が生じることがわかった.また,マスクのアライメント誤差は表面粗さにも影響し,例えばこの大きさが0.8度以上になると,(111)結晶面の段差が連続的に現れた縞模様が観察されるようになり,表面粗さは0.2um(Ra)程度であることがわかった. (2)へき開面のエッチング特性評価 機械加工に先立ち,へき開面のエッチング実験を行った.面積が小さい場合,へき開により特定結晶面からなる平滑面を得ることができる.しかし大規模な寸法では単一の結晶面からなる平滑面を得ることは難しく,荒れた形状になりやすい.本研究では,へき開後にエッチング加工を併用することで形状精度を高めることを試み,実際に得られる精度(真直度等)を評価した.評価した寸法は厚さ0.5mm,長さ50mm程度と小さいが,厚さ10mmウェハの準備が完了したため,次年度には機械加工とエッチングを併用した大規模平滑面の加工にとりかかる.
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[Publications] N.Moronuki,Y.Furukawa: "Microlinear Motion Bearing Produced by Anisotropic Etching of Silicon" Ann.of CIRP. 46,1. 151-154 (1997)
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[Publications] 諸貫,角田,古川: "異方性エッチングによる微小形状標準の製作" 日本機械学会75期通常総会講演会. (予定). (1998)