1997 Fiscal Year Annual Research Report
結晶構造制御ナノ結晶体TiO_2セラミックスのトライボロジー特性
Project/Area Number |
09650163
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岩井 善郎 福井大学, 工学部, 教授 (40115291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 知己 福井大学, 工学部, 助教授 (80251982)
竹下 晋正 福井大学, 工学部, 助教授 (50126637)
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Keywords | TiO_2セラミックス / チタニア / 摩耗 / ナノ結晶体 / 開気孔 / トライボ膜 |
Research Abstract |
種々の焼結条件(圧力 ; 0.75〜1.5GPa、温度 ; 400°C、時間 ; 1,7時間)で製造されたナノ結晶体TiO_2セラミックス(チタニア)の室温下における硬さ試験および軸受鋼と組合わせたブロック(チタニア)・オン・リング(軸受鋼)摩耗試験を行った。その結果、次の点が明らかになった。 1. チタニアは焼結圧力が増加すると、粒子成長によりバルク内の開気孔が排除されるため、相対密度が増加する。相対密度は理論値の95%にまで達するが、粒子径は最大でも40nm程度に抑えられる。それに伴って硬さも増加し、1.5GPaのときHV=800程度になる。 2. チタニアの摩耗率は焼結圧力が増加するほど小さくなる。開気孔率が約10%では摩耗率は大きいが、0.1%ではそれらの約1/1000の非常に小さい値となる。また、その摩耗率は同じ条件で行った汎用のセラミックスの摩耗試験結果と比較すると、Al_2O_3よりもわずかに大きく、ZrO_2やSiCとほぼ同じである。 焼結圧力の低いチタニアの摩耗面は粗く、1〜5μmの微細孔が観察された。 焼結圧力が高く硬さが大きいチタニアでは、チタニアの母材の微細な粒子群の表層に非常に平滑なトライボ膜が形成される。硬いチタニアほどトライボ膜が形成される面積は広くなる、それに従って、摩耗率は小さくなる。
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Research Products
(1 results)