1998 Fiscal Year Annual Research Report
結晶構造制御ナノ結晶体TiO_2セラミックスのトライボロジー特性
Project/Area Number |
09650163
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Research Institution | Fukui University |
Principal Investigator |
岩井 善郎 福井大学, 工学部, 教授 (40115291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 晋正 福井大学, 工学部, 助教授 (50126637)
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Keywords | TiO_2 / チタニア / 摩耗 / すべり速度依存性 / 接触荷重依存性 / 高温かたさ |
Research Abstract |
放電プラズマ焼結(加圧力;47.7MPa、焼結温度;930℃)で製造されたチタニア(TiO_2)セラミックス(HV=1100,見かけ気孔率3.8%)のブロックを軸受鋼のリングと組合わせて、大気中で接触荷重5〜50N,すべり速度0.1m/s〜15m/sで摩耗試験を行った。その結果、次の点が明らかになった。 1. チタニアの摩耗率はすべり速度にともなって増加し、v=10m/sで最大値を示した後減少する。一方、荷重が大きくなると、摩耗率は単調に増加する。摩擦係数はすべり速度と荷重のいずれの増加によっても単調に減少し、アルミナや炭化ケイ素のそれらより小さい。 2. チタニアはアルミナや炭化ケイ素に比べて低速域(v≦0.1m/s)で良好な耐摩耗性を示す。またチタニアの摩耗率も比較的小さく相手材の軸受鋼への攻撃性も小さい摩擦条件は、v≦1m/sであった。 3. チタニアの摩耗機構は、摩耗面に形成されるトライボ膜の性質に依存している。トライボ膜は微細な粒状摩耗粉が凝集して形成される。 4. チタニアと軸受鋼の摩耗特性を両者の高温硬さの相対関係と対比させると、高すべり速度域及び荷重に対するチタニアの摩耗特性は、機械的な脆性破壊よりも温度変化に基づくき裂の発生とその伝播による表面破壊に支配されているものと考えられる。 以上の結果から、先進チタニアセラミックスの焼結法と基本的なトライボロジー特性およびトライボマテリアルとして活用できる摩擦条件が明らかになった。
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Research Products
(1 results)