1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650166
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
権藤 誠吾 九州大学, 工学部, 助手 (50037975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 文慈 九州大学, 工学部, 助手 (60224276)
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Keywords | 摩擦,摩耗 / 境界潤滑膜 / 吸着膜 / 固化膜 / 粘度-圧力指数 / フロンの溶解率 / 粘度変化 |
Research Abstract |
冷凍機用潤滑油は代替フロンと相溶性があることが要求されるが,相溶性があると潤滑油に冷媒が溶け込み粘度が低下し,油膜厚さが減少するため高粘度潤滑油を使用しても最終的には境界潤滑状態となる.現在エーテル系潤滑油であるポリアルキレングリコールPAG,ポリオールエステルPOEが主に使用されている,しかし,POEは加水分解,電気絶縁性等の問題がある.そのため圧縮機内にモータを内蔵している冷蔵庫,空調機器用潤滑油として加水分解,電気絶縁性にも優れているポリビニルエーテル,PVEが注目されている.本年度はこれらの冷凍機油を用いて以下の様な実験をした. 1. 代替フロン用潤滑油の油膜厚さと熔解特性 気体吹き込み可能な転落球型粘度計により潤滑油へのフロンの溶解度,それに伴う粘度変化を測定し,粘度減少と油膜厚さの関係を調べた結果,粘度減少が大きい潤滑油ほどフロン雰囲気では油膜厚さの減少が大きく,摩耗も多くなる事がわかった. 2. 摩擦摩耗試験による潤滑油の評価 雰囲気制御可能な往復動滑り接触試験機により鋼-AlSi合金の摩擦摩耗試験を実施した.境界潤滑特性には吸着膜,反応膜,固化膜の影響が大きい.POEは吸着膜により低温度域では低摩擦を示すが高温度では摩擦係数も上昇し摩耗も多くなる.一方PVEは固化膜を形成しやすく摩耗は少ないが摩擦係数が高い欠点がある.これらに2価アルコールであるヘキサデカンジオールを添加することにより,これらの欠点を補うことが出来た.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 山本雄二: "代替フロン134a用潤滑油の摩擦摩耗特性" 日本機械学会論文集,C編. 63巻/612号. 2839-2844 (1997)
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[Publications] 山本雄二: "代替冷媒用潤滑油ポニビニルエーテル(PVE)の摩擦摩耗特性" 日本機械学会論文集,C編. 63巻/624号. 3179-3184 (1998)
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[Publications] "Friction and Wear Characteristics of Lubricants for Alternative Refrigerant HFC134a" JSME International J.,Series C.Vol.41/No.2. 278-284 (1998)
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[Publications] YUJI YAMAMOTO: "Friction and Wear Performance of Polyvinylether (PVE) in Boundary Lubrication Regime as a Lubricant for an Alternative Refrigerant" Proc.of the 1998 Intern.Refrigeration Conf,at Purdue.367-382 (1998)