1997 Fiscal Year Annual Research Report
回転軸系の振動特性を考慮した流体軸受のトライボ最適設計とその実験的検討
Project/Area Number |
09650170
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
橋本 臣 東海大学, 工学部, 教授 (40130877)
|
Keywords | トライボロジー / ジャーナルすべり軸受 / 軸-軸受系 / 振動特性 / 最適設計 / 非真円軸受 / 油膜の弾性特性 / 油膜の減衰特性 |
Research Abstract |
タービン,コンプレッサ,工作機械をはじめとして回転機械は産業界で広く用いられているが,いずれの機械も効率向上,性能向上,コンパクト化などを目的としてより高速化へと進んでいる.このため滑りの相対速度が大きくなって運転条件の過酷さが増す流体軸受要素のトライボ設計と高速域での減衰低下にともなう回転軸系の防振設計に極めて高度な技術が要求されるようになってきている.本研究はこのような状況を踏まえて企図したもので,回転軸系の振動特性を考慮した流体軸受の最適設計手法を確立し,その最適性を実験的に検証し,最終的にCAMによる自動加工を実現することを目的としている. 流体軸受の最適設計問題の定式化にあたって,まず回転体の高速化にともなって顕在化する油膜の乱流遷移の影響,油膜の発熱の影響などを含んだ汎用的な潤滑方程式を提案し,これを精度を損なうことなく簡略化して,最適設計に有効な近似式を導いた.最適化を行う際の目的関数としてはオイルホワールなどの回転軸系の振動特性のみならず軸受への供給流量,油膜の温度上昇なども同時に最適化する多目的最適化問題として扱った.制約条件としては,設計変数の探索範囲の他に,許容膜厚さ,許容最高油膜圧力,許容油膜温度上昇などを設計した.このような最適化問題は非線形であり,また目的関数は多峰性を有するので,効率よくかつ高精度に最適解を見いだすには適切な最適化手法を開発する必要がある.そこで,まず広域的な最適解の探索に適した格子点探索法により最適解候補を絞り込んだのち,局所探索に適した逐次2次計画法により最適解を求める方法(ハイブリッド法)を検討した.この方法による最適設計結果の適用性を保証するためには実験による確認が必要である.そこで本年度は軸受試験装置の設計・製作を最適設計手法の開発と合わせて行った.試験装置において,回転軸は特性の等しい2個の流体軸受(ジャーナル軸受)によって支持されており,フレキシブルカップリングと変速機を介して電動機により0〜180rpsまで連続的に運転できるようになっている.来年度は本装置を用いて具体的な実験を実施する予定である.
|
Research Products
(1 results)