1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650172
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Research Institution | DOSHISYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小林 眞造 同志社大学, 工学部, 教授 (10066235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 敏 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50127122)
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Keywords | 超微細結晶 / 引っかき硬さ / すべり / 摩耗 |
Research Abstract |
これまでの超微細結晶材料に関する研究は,硬さの結晶粒径依存性について調べたものが多く,その摩耗,摩擦特性を対象にした研究はほとんど行われていない.本研究は,超微細結晶の純銅に対して,圧子押込み,引っかき,摩擦を与え,それらの試験結果を粗大結晶粒の銅についての試験結果と比較し,変形の特性について調べることを目的としている. 試料としてSPD(Severe Plastic Deformation)法の一つであるECAP(Equal Channel Angular Pressing)法によって作成した(1)平均結晶粒径200nmの超微細結晶の純銅(Ultra-Fine Grained Copper,UFGC),(2)UFGCに焼きなまし処理を施して内部応力を除去したもの,(3)約15μmおよび(4)700μmの結晶粒径の純銅(CGC)ならびに(5)純銅の単結晶の5種類を用いた. 上記(1)から(5)までの試料に対しては,ダイアモンド四角錐圧子による押込み試験と引っかき試験を行い,試料(1)と(4)に対してはピン-円板型の摩擦・摩耗試験も行った.これらの実験の結果から以下に示す結論を得た 1. 結晶粒径が細かいほど押込み仕事量に対する弾性回復エネルギーの割合が大きい. 2. 結晶粒径が細かい(1)と(2)では,押込み負荷時間が長いほど硬さの値が大きく現れるが,他の試料の硬さは負荷時間の影響をほとんど受けない. 3. 引っかき硬さと押込み硬さの比は,試料(1)と(2)では0.7前後,試料(3)では1.7〜2.0,また単結晶ではほぼ1.0に近い値をとる. 4. CGC,UFGCともにある特定のすべり速度で摩耗量がピークを示す. 5. CGC,UFGCでは摩耗過程でシビア摩耗とマイルド摩耗が確認でき,それらの過程で摩耗粉の移着,成長,さらに酸化物粒子の生成,堆積が起こる.
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Research Products
(1 results)