1998 Fiscal Year Annual Research Report
ベルト伝動・搬送システムの動力伝達効率に関する研究
Project/Area Number |
09650173
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
小山 富夫 大阪工業大学, 工学部, 教授 (50079547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 維明 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (60268224)
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Keywords | 平ベルト伝動の張力分布 / 歯付ベルト伝動の効率 / 挟持搬送 / 平プーリのクラウニング |
Research Abstract |
平ベルト伝動装置に使用される平プーリにはベルトの脱落防止のためにクラウニング(中高)が施されている.平ベルトの動力伝達効率を検討する前に本年度は試作した平ベルト走行試験機を使用して最新のゴム平ベルトと,試作したアラミドフィルムベルトを用いてクラウニング量がベルトの張力分布に及ぼす影響について検討した.その結果以下の結論を得た.(1) フィルムベルトは非常に薄いので張力分布はEulerの理論によく一致するが,ゴム平ベルトは一定の厚さを有するので一致しない. (2) フィルムベルトは縦弾性係数が高いため,ゴム平ベルトに比ベクラウニングの影響を受けやすい.(3)クラウニングがある場合,高負荷よりも低負荷の時の方が,ベルト中央にかかる張力比は大きくなり,またフィルムベルトの場合はベルト厚さが厚くなるとベルト幅方向に張力差が生じやすい. (4) ゴム平ベルトにおいても,軸荷重を大きくするとEulerの理論に近づく.つぎに,有限要素法により張力分布の解析を行った結果,以下の結論を得た. (1) ゴム平ベルトの場合,ベルトにかかる張力の大部分は心体によって動力伝達している. (2) ゴム平ベルトの有効巻き付き角は,Eulerの理論の計算結果より大きくなる. (3) ゴム平ベルト,フィルムベルトともクラウニングのためにベルト幅方向の位置で張力分布が異なる.両ベルトともベルト中央部分で大きな張力を伝達しているが,この傾向はフイルムベルトのほうが顕著である.
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