1999 Fiscal Year Annual Research Report
翼面に発生する剥離の動的制御による翼列性能の向上に関する研究
Project/Area Number |
09650176
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Research Institution | IWATE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
船崎 健一 岩手大学, 工学部, 教授 (00219081)
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Keywords | 剥離 / 翼列 / 後流 / 境界層 / 制御 |
Research Abstract |
研究の目的 静翼の位置を周方向に変化させることにより,上流側から発生した後流と翼下流側の干渉の状態を変化させることにより,ターボ機械の効率向上を目指すクロッキングの研究が行われている. このクロッキングによりターボ機械の効率を向上させることができることは知られているが,本来損失の元と考えられる後流が,どの様なメカニズムで,ターボ機械の効率の向上につながっているかは,あまり解明されていない.後流が性能を向上させるメカニズムとしては,対象とする静翼の上流に位置する静翼からの後流が,直前の動翼からの後流の影響を緩和するためであるとされているが,静翼後流がよる剥離(泡)の抑制も可能性としては十分考えられる.本年度は昨年の研究成果を基に,供試翼上流に設置した円柱の位置を供試体に接近させることにより円柱後流の特性を変化させ,それに伴う翼(供試体)への影響を熱線流速計による計測で調べた.さらに,CFDを導入し,剥離抑制に与える円柱後流の効果に関する数値実験を試み,現象のより深い考察を行った. 研究の成果 境界層計測の結果から,供試体へ後流発生用円柱を近づけた場合に,剥離をより少ない損失で抑制する条件が存在することを確認した.また,数値計算では,完全には流れ場の再現はできなかったものの,主流乱れが大きくなると剥離が抑えられるという傾向や円柱後流による剥離抑制効果など,実験と定性的に近い結果が得られている.計算の安定性,乱流モデルの影響など,解決しなければならない課題はまだ残されているが,今後実験データを基にしたCFDのより高精度化により,クロッキングのメカニズムの解明を図り,これにより効果的な剥離制御技術の確立を目指すための基礎固めができた.
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