1998 Fiscal Year Annual Research Report
渦対による強いスパン方向変形を用いた乱流境界層の操縦(制御)
Project/Area Number |
09650191
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Research Institution | YAMAGUCHI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大坂 英雄 山口大学, 工学部, 教授 (90024611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 信介 山口大学, 工学部, 助教授 (70190957)
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Keywords | 乱流境界層 / 縦渦対 / 操縦(制御) / 二次流れ / スパン方向ひずみ速度 / 干渉過程 |
Research Abstract |
1. 主流中で生成された縦渦対と乱流境界層との干渉過程を調べるため、デルタ翼を用いて一対の縦渦を生成する。 2. 生成条件は、縦渦間で吹下ろしと吹上げとなる場合の2種類で、Γ/U_1δ_0<1、Γ/u_ιδ_0〓1、d_0/δ_0〓1(Γ:縦渦の循環、U_1:主流速度、δ_0:干渉開始位置の境界層厚さ、U_ι:摩擦速度、d_0:縦渦の直径)の条件に設定した 3. 測定は、△χ/d_0=0〜70(7断面)位置で、平均速度、乱流成分、平均渦度について行った。 4. 平均渦度の等値線は、二次流れベクトル線図から、吹下ろし、吹上げの条件とも、デルタ翼端から30%内側に中心がある一対の縦渦が生成され、それらは測定最下流位置まで持続する。 5. 縦渦対の経路、中心間距離、渦度の減衰から、吹下ろしと吹上げで傾向が異なり、それが乱流境界層の特性に影響を及ぼす。 6. 吹下ろしの場合、平均速度、等乱れ線図、等レイノルズ応力線図をみると、縦渦中心位置で各値は著しく変化し、その間で等値線は下方にゆがみ、一方外側で上方に変形する。従って、縦渦中心間のあるスパン方向位置でひずみ速度が著しく大きい。 7. 吹上げの場合、縦渦中心位置で符号は異なるが、平均速度、乱れ強さ等は著しく変化し、その間で各等値線は上方に変形する。この場合もひずみ速度が著しく大きいスパン方向位置がある。 8. 壁面せん断応力は、縦渦による二次流れの影響を受け、中心位置で吹下ろしではピークを、吹上げでは最小値を示す。しかし、スパン方向のどの位置でも剥離の兆しは見られない。 9. 渦度輸送方程式の項のうち、縦渦の維持、減衰に寄与する項は垂直レイノルズ応力差によるものが大きい。 10. 縦渦が存在すると、局所相似性が成立する範囲は存在しない。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Chiharu FUKUSHIMA: "Turbulent Structure of an Intermittent Region of the Turbulent Boundary Layer Interacting with Controlled Longitudinal Veitex Arrays" 11th Symposium on turbulent sheur flows. 2. P2-55-P2-60 (1997)
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[Publications] 望月信介: "主流中から導入した縦渦対と乱流境界層との干渉" 日本流体力学会年会'98講演論文集. ながれ17,別冊. 235-236 (1998)
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[Publications] 大坂英雄: "主流中から導入した縦渦対により変形を受けた乱流境界層" 日本機械学会中国四国支部第37期総会講演会論文集. 995-1. 189-190 (1999)