1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09650195
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Research Institution | KYUSHU INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
富田 侑嗣 九州工業大学, 工学部, 教授 (60039104)
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Keywords | 混相流 / LDV / 粉体ジェット / 巻き込み空気 / 数値計算 / 最終自由落下速度 / 軸方向速度分布 / 拡がり幅 |
Research Abstract |
粉体の容器間の自由落下による移動では周囲空気の巻き込みが現象が発生する.粉体の単位操作においてこの現象は頻繁に行われているにも関らず,その流動特性についての報告は極めて少ない.そこで本研究では約454μmのガラスビーズの粉体ジェットの自由落下運動に着目し,その流動特性と周囲空気の巻き込み量の予測を実験と数値計算により行った.昨年度は粉体ジェットの自由落下速度は単一球粒子の自由落下速度より大きくなることを示した.これは粉体ジェットにより周囲空気がジェット内部に巻き込まれ粉体ジェットに下降気流が形成され,粉体はこの中を重力により落下するためであると説明した.そこで,粉体ジェット内部の下降気流をPDAを使用して固気二相流の同時測定を行った.ここで,気流の測定に必要となるトレーサ粒子はスモークチップを使用した.次に数値計算を行ない,粉体ジェットの全粒子運動を粒子に作用する力を流体抗力,粒子回転揚力,気流勾配による揚力および重力でモデル化し粒子間衝突を考慮してラグランジュ法で追跡した.気流は層流とし,粒子による影響をソース項として扱い粉体ジェットとジェット内部の空気の流動状態を予測した.この結果,粉体ジェットの分散状態は孔から排出された粒子が落下中に粒子間衝突を起こすため落下高さが増加するに従って半径方向に拡散する傾向を示す.また,分散状態は軸対称的である.ジェット外端半径の落下高さに対する傾きは実験値とほぼ類似しており本数値計算法は粒子の流動状態をよく表現している.さらに軸方向速度分布,半径方向速度分布,落下高さに対する軸中心速度の変化についても実験値と同様の傾向を示した.ジェット内部の軸方向空気速度は粒子濃度の大きい中心軸付近で最大値を示し,ジェット外端に向かって減少する傾向を示した.数値計算から空気速度は落下高さの増加とともに増加することが予測された.
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