1998 Fiscal Year Annual Research Report
大規模乱流組織構造に着目した離散周波数騒音の発生機構の解明と騒音制御に関する研究
Project/Area Number |
09650210
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
田中 周治 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40029327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瓜田 明 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40288551)
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Keywords | 離散周波数騒音 / 乱流組織構造 / 騒音発生機構 / 騒音制御 / 後流渦構造 / 表面圧力変動 / 音響インテンシティ / 音源探査 |
Research Abstract |
離散周波数騒音(DFN)の発生機構の解明とDFNの制御法の開発を目的とし,以下の研究を行った. (1) 離散周波数騒音レベルと後流速度変動の評価・・・一様流中に置かれた二次元平板翼(翼弦長:106.6mm,翼厚2mm,翼スパン150mm)から発生するDFNと,その後流中に細い円柱を挿入して流れ場を人為的に変化させた場合の騒音レベルおよび後流速度変動の変化を明らかにし,円柱の挿入によって騒音レベルが大幅に変化すること,騒音レベルと後流速度変動強さの間には,従来からの研究で指摘されている相関関係が必ずしも成立しないことを明らかにした. (2) 翼表面変動圧力および後流速度の位相平均測定・・・供試翼表面圧力および後流速度を,後流の速度変動に同期させた位相平均法を用いて定量化した.その結果を分析し,翼表面圧力変動の翼弦方向の分布・伝播状態を明らかにし,翼面に生じる圧力変動が後縁近傍にある音源から上流側に伝播する音響攪乱であることを示した.また,後流に形成される明瞭な乱流組織構造の詳細を明らかにし,円柱を挿入して騒音が抑制される場合にも,後流には明瞭な組織構造が生じていることが確認された. (3) 離散周波数騒音の発生機構の解明・・・後流に生じる乱流組織構造(組織渦列)によって翼面上に誘起される周期的な誘導速度の大きさと翼面変動圧力および発生騒音の間に極めて明瞭な相関があることを明らかにし,DFNが後流組織構造に起因して生じるものであることを流体力学的に確認した.また,後流中に明瞭な乱流組織構造が形成されている場合でも,その組織渦列の微妙な差異によって騒音レベルが変化することから,後流組織渦列を制御することで騒音レベルを低減できる可能性があること示した. (4) 音響インテンシティ(SI)法による音源探査・・・新たに導入したSI装置を用いて音源位置を同定する実験を行い,DFNの音源位置が翼後縁近傍の翼面近くにあることが確認できた.現在はその測定精度の向上を目指して供試翼端板の無反射化,音源探査手続の較正法の改善等を進めており,空間的にほぼ±1mm以内の精度で音源位置の同定が可能であることを確認できた.
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